『比叡山‐神界神&仏界神の仕組み』No.1

比叡山は日枝山(ひえのやま/古事記)とも言い、大山咋(おおやまぐい)神・山末之大主(やますえのおおぬし)神が近江国の日枝山(小比叡)の地主神として鎮座し、鳴鏑(なりかぶ ら)をご神体とする。

伝教大師・最澄が延暦寺-堂宇(どうう)を建てて<天台宗>を開き(旧仏界による旧神界の乗っ取り潰し)からは、王城(京都)の鬼門を守護する国家鎮護の寺地となる。

大比叡(山)には《大物主(オオモノヌシ)神》が鎮座する。古事記では御諸山上坐(みもろのやまのうえにます)神・美和之大物主(みわのおおものぬし)神と言い、播磨國(はりまこく)風土記では八戸挂須御諸(やとかけすみもろ)神、大物主葦原志許(おおものぬしあしはらのしこ)神。

日本書紀では倭大物主櫛甕魂(やまとのおおものぬしくしみかたま)、大己貴神(オオナムヂ)の和魂(にぎたま)、別名は<三輪明神>。三輪山をご神体とする原初の神祀り様式の<大神(おおみわ)神社>の主神で、三ツ鳥居を通して遥拝する、、出雲国造神賀詞(いずものくにのみやつこのかんよごと)では倭大物主櫛𤭖玉(やまとのおおものぬしくしみかたま)神。

<大物主オオモノヌシ神>の「大」は偉大な、「物」は鬼・魔物・精霊を意味し、「偉大なる精霊の主」よりも、父神・イザナギ(機械妖怪)神に潰されて、オオクニヌシ神の働きを乗っ取った「偉大なる鬼神・魔物の主神」を意味する。

<オオクニヌシ神>の別名は神々の中で一番多く、大穴牟遅神、国作くにつくり大己貴命、八千矛神、葦原醜男、大物主神、宇都志国玉神、大国魂神、伊和大神、所造天下大神、地津主大己貴神、国作大己貴神、幽世大神、幽冥主宰大神、杵築大神……等・他。

「世の中に山てふ山は多かれど山とは比叡のみ山をぞいふ」(慈円/小倉百人一首)

<慈円>は天台宗座(主ざす)で、慈鎮和尚(じちんかしょう)・(吉水僧正(よしみずそうじょう)、又は前大僧正慈円(さきの だいそうじょう じえん/1155年5月17日1225年10月28日)とも言う。