『蔵王連嶺(れんりょう)よ!』 中嶋 稔
雪解けて初めて知る、蔵王‐連嶺の過酷な氷雪の下、
秘かに生き継いできた、原生樹林や高山植物達の
イノチ削る植生(しょくせい)タマシイ……幾星霜のナチュレなドラマあり。
今年も初夏の蒼穹(そうきゅう)の下、ハレて生き継いできたその証みる。
住みづらい稜線の砂礫地に、寒風・強風にもめげず、
白ピンクの可憐な釣鐘花(つりがねばな)つける、高山植物の女王・コマクサの群生、
ガマズミの緑葉には小粒の赤い花咲く、
鮮烈な青紫の花映はえるエゾオヤマリンドウ、
秋には黄花‐群生するキリンソウ、しろ薄紫の花咲くヒヨドリソウ、
みずみずしい緑葉に真紅の実の咲くキイチゴ……
2千年ほど前に、樹氷「スノーモンスター」の、
アオモリトドマツ達の松樹林が形成され、
今では山岳で樹林の虫害に悩むは、自然の不条理かな。
平野や山裾にいた虫達が、科学薬剤‐散布で、
住居を失い過酷な、新たなる生存地を求めるは自然の摂理。
科学のメス・薬剤で、観光する樹氷の延命を図るは、
高山植物の群生地をやがて、収奪(しゅうだつ)することはないか。
科学‐生命化する自然よ、地球よ、
ほんとうの自然は何処にいるる……よく観察(み)れば、
「0と1」物理・科学式で解析できる銀河‐三千世界、
超ミクロ宇宙(せかい)〜その数式を基底に、造形された生命・宇宙よ、
いつの日に、機械科学的<幻想>より覚醒するる!
やがて人類ヒト社会に、人工知能<A Iロボット>が就職するらし。