『ミトコンドリアと癌細胞に係わる生命・宇宙の仕組み』No.3

『癌とミトコンドリアの因果関係の研究と最先端の医療科学<iPS細胞>の癌化について』

 *《癌とミトコンドリア》=「ミトコンドリアの機能障害とRas(Rat sarcoma/ラットの肉腫)シグナルの活性化を起こした細胞は周辺の良性腫瘍を悪性化する」(大澤志津江・井垣達吏-述)

*《Ras》=「Rasタンパク質(Ras蛋白質、Rasサブファミリー、以下Rasと略す)は、低分子GTP結合タンパク質の一種で、転写や細胞増殖、細胞の運動性の獲得のほか、細胞死の抑制など数多くの現象に関わっている分子である。Rasの異常は細胞のがん化に大きく関わるのでRas遺伝子はがん原遺伝子の一種である」(ウイキペディア)

*《iPS細胞》=「iPS細胞は癌化する、可能性がある」「病気化して壊れた細胞を再生させる科学的療法として、飛躍的にその研究が進化した<iPS細胞>の移植治療に、新たな課題が出ています。(別冊二ュートン)

*《ミトコンドリアと癌》=「癌の遺伝子異常説がほぼ間違いであることは判明していましたが……癌はミトコンドリア呼吸代謝異常だという認識が、今では世界の知識となっているのです」

「ジョンズホプキンズ大学の瀬崎先生らが行った実験では……互いに融合して成熟した状態にあるミトコンドリアのいる細胞に、ミトコンドリアを分裂に導くタンパク質(ダイナミン)様タンパク質=DRP1を加えると、癌細胞で多く見られる<MAPK経路>が活発化し、ミトコンドリアは縮小と断裂(断片化)しました」

「ミトコンドリアが分裂し断片化すると、酸素呼吸が低下して発酵が増え、がんの代謝が起こることがわかりました。

その逆に、癌が抑制されると、分裂し断片化したミトコンドリアが再び融合し、成熟した状態になり、正常代謝に戻ってゆくことがわかります」

「モーリス培養細胞に朝鮮人参のサポニンを20μg(マイクログラム)投与する……投与前には、培養液の中で細かく細分化していたがん細胞が、大きく一つ一つはっきりした正常細胞に細分化しているのがわかります」

「ミトコンドリアは、細胞内で酸素呼吸を専門で担っている細胞内小器官です……卵巣がん細胞に少量のサイクリックAMP(細胞内情報伝達物質)を加えると、5時間で正常な繊維芽細胞に変化した……この結果を見て、がん細胞には遺伝子が関与していないと確信しました」

「がんの正体がわかった!」(小林常雄医学博士)

〜つづく〜