〈桔梗(ききょう)色の詩章(ポエム)〉
「出雲建(イズモタケル)が腰に佩(つ)けた刀は、鞘(さや)にたくさんの、
蔓(つる)が巻いていて、立派に見えるが、(それは刀ではなく、すり替えた木刀で)
中身がなくてあわれだ」と、刀を振りかざして、
荒ぶる(?)木刀の、イズモタケルを成敗(せいばい)するる。
出雲国に戦勝して、西国の蛮族を支配下に置き、
意気揚々と勝鬨(かちどき)をあげてヤマト国に帰って来た、
ヤマトタケルは、父‐景行(けいこう)天皇に報告するも、
少しの労(ねぎら)いも無し——かつて、父‐天皇の意向に逆らっていた、
後継者の兄‐アメノオウスを諌(いさ)めて、手・足を切断するかの、
制裁を加えてしまい、かえって疎(うと)まれて、
「死(い)ね!」と言われ……その上に、国津‐神々を祭ろう、
蛮族(ばんぞく)の住む東海・東国の征伐・征服を命じられる! は、
憐(あわ)れ・哀しも、再三に及ぶ侵略‐劇に、陰謀・侵略戦争に倦(う)み疲れ、
伊勢神宮に坐(いま)す、アマテラス神の使者‐伯母(おば)の倭姫(ヤマトヒメ)を訪ねる。