山の静寂を一気に、飲み込んで、
表面張力して盛り上がった、泉の水が裾から破れ、
苔むした石の堰(せき)を、乗り越えて行く。
木洩れ陽が水苔に、光の粒子を散りばめ、
湧水は時々に、蝦夷(エゾ)鹿やハイカーの喉を潤うるおしてる。
流る〜流〜流〜やがて、渓流を成形する流水は、
流る〜流、流る〜流〜流、大河にと繋流(けいりゅう)してく。
空ともなる水は天をめざし、あえなくも、
雨となって降り落ちて来たり……地に沁しみ入り、
地の下に〜底へ、水旅その行先きを尋ねる。
地下水脈となるに、場所によりけり、十年・
二十年〜百年越える、旅をするコトもあるらし。