詩文 中嶋 稔
「塩はなぜ塩(しょ)っぱいの?」
塩(Salt)や岩塩が海や地下・山岳にある不思議、
およそ46億年前に地球が誕生して、40億年前後に、
〈火の玉‐地球〉の岩漿(マグマ)の海から蒸気が立ち昇り、冷えて、
雨が降り続き、やがて大洪水と成り、海<水の惑星>が誕生した。
地殻運動で陸地が生まれ、太古の海は地の下に沈み込み、
海の化石‐岩塩や塩湖が生まれた……塩の成分は、
陸地の形成前にすでに、海洋に誕生し生息していた、
生物の屍や、過去に星であった時の星屑の残滓(ざんし)……
ダイナミックな〈塩〉生命素の誕生の旅路かな。
大きな塩水湖の水が引いて、千数百㎢にも及ぶ真っ白な、
塩の原野が拡がる——南米のアンデス山脈に囲まれた、
高地にあるボリビアの、ウユニ塩類平原(10582㎢)雨季には塩湖と成る、
アメリカ・ユタ州のボンネビル塩類平原(260㎢)、
地殻変動によって生まれたトルコのトゥズ塩湖(死海に近い塩水濃度)、
乾季には真っ白な塩類平原(1500㎢)となり、
太古の地層が露出した塩原が、雨季には塩湖となる、
オーストラリアの砂漠地にあるピンク色をしていたエア塩湖(9690 ㎢)、
かつて幾本もの河川が流れていた大陸が砂漠化し、
異種の微生物による色違えの湖が残った……
日本の宍道湖は海水と淡水が混じり合った、
塩分を含んだ汽水湖(きすいこ)で、日本有数のシジミが棲息してる。
「塩が塩(しょ)っぱいのは機械科学に、素材の<自然>が壊されたその苦汁から」
世界一大きな塩湖はカスピ海、カザフスタンのバルハシ湖や、
グレートソルト湖があるる(面積順)。
世界一標高の高い塩湖は、チベッ自治区のナムツォ、
中東に在る塩湖は世界一低い場所にあり、ヒトの身体が浮く死海と呼称す。
カスピ海の北の低地にある、ロシアのバスクンチャク湖は、
8世紀以降に塩の産出で栄え、シルクロードを通じ東西の国へ輸出され、
中華人民共和国の山西省運城市塩湖区にある解池(かいち)は小さくとも、
古来より世が乱れた時に、各政権が争奪し合う塩の要地とも成った。
