『雨上がりまで コーヒーを』 No.2

中嶋 稔

晩秋から冬にバトンする、氷雨(ひさめ)の降るる、

雨から真っ白な、真綿雪に変わり、

ペーブメントの、窪みの薄氷(うすらひ)に、

アラベスク模様、薄くひび割れ(おん)のする。

柔らかに洗練された、雪雨の降る〜降るる。

「雨上がるまで コーヒーを どうか」

 

全世界が、コロナウイルス禍に、

明日を喪失して、ため息している、

ヒトの心に、止むことを忘れてしまった、

ダーク・グレイの雨の降るる。

急ぎ足の凝りを解いて、どうぞ、

「雨上がりまで コーヒーを」

『雨上がりまで コーヒーを』 No.1

中嶋 稔

「雨上がりまで コーヒーを」

先にタイトルが生まれたの?

タイトルではなくて、

「雨上がりまで コーヒーを」は、

一行詩! で良いのかも……

「もしも?」は、()らないのですが、

「雨上がるまで どうぞ コーヒーを」

 

梅雨のさなか、降り止まない、

つづき雨の時には……?

今年一番の酷暑、()夏日に、

急ぎ足で、通り過ぎるかの驟雨(しゅうう)の時にも、

「雨上がりまで コーヒーを どうぞ」

イチョウの葉が、黄金色に舞い舞い〜放下(ほうげ)

精一杯生き抜いて、燃え尽きるイノチは、

フイナーレに、光りのダンシング……