『秘密の扉』(仮題)No.3

 

「ほんとうにこの宇宙が〈無〉から始まったのなら、

それに始まりも終わりもない。不条理(Absurdity)」

ある日突然CDが、録音テープやレコード音盤(ディスク)に、

取って代わってしまった時、強烈なショックを、

憶えたことは無かったか。

精緻な機械音への、違和感!

「CDの機械(デジタル)曲は聴きたくない、二度と」

お腹の奥から不快感が走り、しばらく、

クラシック音楽を聴くことを止めていた……

世界中に瞬(またたく)間に、デジタル曲が溢あふれ出したので、

それに感染するに、暇(いとま)はいらなかった。

キューバ音楽や、中南米・南米のCD楽曲、

スマホ音楽がぐるりに、満ち溢(あふ)れていなかったか。

 

『秘密の扉』(仮題)No.2

 

「始まりもなければ、終わりもない」

いつも見慣れていた光景が、ほんとに突然!

変わってしまっても、誰ひとり驚きもしなかった。

至る所で機械科学‐製品の「利便!」が提供されて、

いつの間にかみんな皆、自身が機械サイボーグ化されていることに、

気づかない、畏怖(いふ)することもない……それは、

人類〜未曾有みぞうの大異変・大変異現象なのに、

いつの間にかヒトの五感が、麻痺! 無感覚・

無感動になってしまっていたことに、

何かがヒトの奥で、変わってしまっている事に、

素朴な疑問符「?」も、透けて消えてしまい、

マニアル通りの固定観念(ステロタイプ)の仕事、癖・習慣〜生活に、

畳み込まれて、出口なしに成ってしまってないか。

人類みんな皆、機械幻想‐人生(ライフ)に引きこもり。

 

『秘密の扉』(仮題)No.1

「始まりがあれば、終わりがある」

かつて人間ヒトがいた場所に、いつからか、

誰ひとりも見えなくなっていた。

人間のする仕事を機械が代行してる。

改札口でする乗車切符のカットも、

切符販売していた窓口にも、乗客の往来する、

駅空間にもうだれ一人の、駅員も見えなくなっていた。

あらゆるトラブル・事故を想起して、物理科学の、

精緻せいち・精密な粋すいを集めて開発された機械‐

切符販売機や改札口はミスなど犯さない。

過剰労働で消耗し、故障することはあるけれども。

「科学による高度な機械文明化で、ほんとうに、

この世の誰が恩恵を受け、利便になったの?」