『瀑布のアリア』No.3 中島稔

 

これと型を定めずに、跳ね〜舞い、激しく回転し、

ナチュレに雨とシェイクしている。

〈身体〉を「から()だ」と呼び、

生命‐本体の働き、《(ミタマ)》を入れる器とも。

雨は一粒〜一粒に、空を宿して、

雨・雨・・雨水(うすい)・・の降る・・・降るる。

あなたは(カラ)っぽ、滝雨のアリア・・・

ゲリラ瀑布(ばくふ)の〈革命 Revoluciónレボルシオン〉は、もっか、

災禍ある天に向かって、進行中! らし。

 

『瀑布のアリア』No.2 中島稔

 

ゲリラ豪雨との出会いを、予期していたかに、

どこぞかに、傘を置き忘れて……

長い坂道も、ナチュラル・ダンシング、

転ばぬよう、舞い降りて行く。

あなたの、おぼつかない両足は、

激しくはね返える雨足が、しっかり握りしめているかに。

梅雨を店じまいする前の雨も、狂喜の舞踏してる。

古代〈真理〉は、言の葉だけではなく、

舞踏や楽音(がくね)・色アートでも、表現したらし。

『瀑布のアリア』No.1 中島稔

どしゃ降りの雨の中、傘もささず、

洒落(しゃれ)なドレスが、楽しさ一杯に歩いて行く、

「やまない雨は無い」と、詠唱(アリア)しながら。

ゲリラ豪雨がもたらした、石の街に、

ナイアガラのような瀑布が、落下しているる。

激寒の滝よりも、清清(すがすが)しく打たれ、

光り輝いているかのあなたは、仕事帰り、

お気に入りのバッグと、買い物を、

しっかりと防水のトートバッグに入れて。

コロナウイルス禍でも、混雑してる、

改札口を真っ直ぐに抜けて、滝雨に立っていた!

誰彼(だれかれ)の視線も、雨のベールの向こう側に置いて、

新訂詩『雨上がりまで コーヒーを』No.2 中島稔

晩秋に、氷雨(ひさめ)のふるる。やがて、

雨から真っ白な雪に変わり、

ペーブメントの窪みの水溜りに、

アラベスク模様、薄くひび割れの(おん)のする。

柔らかに洗練された、雪雨の降る〜降るる

「雨上がるまで どうぞコーヒーを」

 

全世界が、コロナウイルス禍に、

明日を喪失して、ため息してる。

ヒトの心に、止むことを忘れてしまった、

ダーク・グレイの雨の降る。見上げよう!

真理も災禍(わざわい)も、天から降って来るるか。

「雨上がりまでコーヒーを、どうぞ」

新訂詩『雨上がりまで コーヒーを』No.1 中島稔

 

「雨上がりまで コーヒーを」の、

タイトルは、この〈詩〉より先に、

生まれて来たの?

詩のタイトルにするのでなく、

「雨上がりまで コーヒーを」の、

一行詩! のままで良かったのかも……

 

梅雨のさなか、降り止まない雨の時には、

今年一番の酷暑の魔夏に、通り過ぎる驟雨(しゅうう)にも、

「雨上がるまで コーヒーを」

イチョウの葉が、黄金色に舞い〜舞い〜放下(ほうげ)

精一杯生きて、燃え尽きるイノチは、

フイナーレに、光りのダンシング……