これ以上、無口となる心を傷つけない為に、
欲望が〈善〉をまとって迫って来た時、
沈黙か、「いいえ」の「ハイ」か、
選択肢は無きか……ひときわ、今年の短い秋に、
「風が落ちている!」雌雄‐別樹の、
生きている化石‐〈イチョウ樹〉の、
黄金色の鮮烈な絨毯(じゅうたん)の、落ち葉の上に。
浄化の会 光元堂
これ以上、無口となる心を傷つけない為に、
欲望が〈善〉をまとって迫って来た時、
沈黙か、「いいえ」の「ハイ」か、
選択肢は無きか……ひときわ、今年の短い秋に、
「風が落ちている!」雌雄‐別樹の、
生きている化石‐〈イチョウ樹〉の、
黄金色の鮮烈な絨毯(じゅうたん)の、落ち葉の上に。
勢いよく切り捨ててしまったモノ、
誰にも告げずに来てしまったコトに、
無意識の井戸の底いに、何処までも、
その深さを測る、垂鉛(すいえん)の紐を、
垂れ下げて行くように、降りてゆく、
方途か術は無きか……身体の、傷ならば、
包帯を巻いて癒しを待てば、治癒するコトも、
複雑な心の傷には、どんな手当がいるる。
今日の風は、どこから、
吹き継いできたのか、妙に、
いがらっぽく、逢魔(おうま)が時に、
胸と脳に、渇きひとしお。
キッパリと「ノウ!」と言ってしまったコト、その時、
起きていたコトに対してだけでなく、
そのコトに繋がる、忘失してしまった過去に、ふかい、
深い〈心の傷・トラウマ!〉が、繋がってはいないか。
いま! 起きている不都合なこと、
消し去ってしまいたい、避けて、
無しにしたかったコト、
否定しきってしまいたいコトども……
計り知れない過去の、どこかでそれは、
起きていたことと、リンクしていないか?
いつまでもそれは、どこまでも、無意識から浮上する、
不安・イライラを、運び続けているる。
✼ ✼
古代〈弓〉は枝を払い、弾性ある細丸木に、
刺草(いらくさ)・麻の繊維を縒(よ)って弦を張り、矢をつがえて射(い)るる。
ケヤキの槻弓(つきゆみ)、ヤマグワの拓弓(つみゆみ)、
古代ー神世(かみよ)には、ハゼの木の櫨弓(はじゆみ)‐〈天之波士弓(あめのはじゆみ)〉を手に、
弓矢の〈天之眞鹿兒矢(あめのまかこや)〉を手挟(てばさ)みし、
他に荒ぶる武器を持した、太陽神アマテラス-軍が、
日の本‐豊葦原(とよあしはら)に天孫降臨して、平和に政(まつりごと)する、
水々しく稲穂たわわに稔る瑞穂(みずほ)の、オオクニヌシ神の出雲国を、
制圧・支配した、捏造(ねつぞう)の<出雲神話>のあり。
かつて印刷の版木にも使っていた梓木(あずさぎ)は、丸木ごと、
弓なり成した〈梓弓(アズサユミ)〉で、キリリと真斗(まと)を絞り‐射る。
梓弓の弦を弾(はじい)ては鳴らし、トランス状態の梓巫女(あずさみこ)に、
霊‐降ろししていたは、遠の昔し話しか。
真弓(まゆみ)曳く 秋紺碧や 標的(まと)矢羽
咲き競う 百花繚乱(りょうらん) 真弓木の実