『雨上がりまで コーヒーを』 No.2

中嶋 稔

晩秋から冬にバトンする、氷雨(ひさめ)の降るる、

雨から真っ白な、真綿雪に変わり、

ペーブメントの、窪みの薄氷(うすらひ)に、

アラベスク模様、薄くひび割れ(おん)のする。

柔らかに洗練された、雪雨の降る〜降るる。

「雨上がるまで コーヒーを どうか」

 

全世界が、コロナウイルス禍に、

明日を喪失して、ため息している、

ヒトの心に、止むことを忘れてしまった、

ダーク・グレイの雨の降るる。

急ぎ足の凝りを解いて、どうぞ、

「雨上がりまで コーヒーを」