『アマゾン 空飛ぶ川』中嶋 稔
季節が白銀(しろがね)の雪の季節に移ろっても、
針刺すように太陽光が、眼に痛い。
容赦無くサンサンと降り注ぐ陽光……アマゾン川の源流、
南米アンデス山脈の〈ミスミ山〉などの山陵の、
万年雪や氷河が溶け、滝水となり幾筋もの渓流と成って流れ、
束ねられた水流は、やがて大河アマゾンを形成する。
その上空には、別に〈空飛ぶ川〉が流れているる。
世界一の流域を誇る、熱帯雨林の密林地帯ジャングルから、
刻々と立ち昇った、幾本もの水蒸気の柱が、
空に巨大な湿潤‐気流を生み〈空飛ぶ川〉と成って、
アマゾン川と同量の水を、ブラジルや、
南米の上空へと運んで行き、降雨する。
もひとつ別のアマゾン川が存在する。
大河の地下二千㍍~四千㍍あたり、土砂混じりの、
全長六千㎞を越える巨大な、地下水流の大河が、
ゆっくりと大西洋(アトランティック オーシャン)に向かって流れ行く。
