『扉を開けて 開ける星』No.3

久しく閉じ込めていた、自身の心の扉を

そっと開けるかに、玄関の扉から出て行くと

石段の横に忘れ物であるかのよう

手動のゼンマイ式‐柱時計が、ひっそりと

立て掛けてあった——円形の時計盤がいくつか有り

日本列島‐時間と、地球‐各国世界時間と

重層する宇宙の、いくつかの宇宙時間を

ゼンマイ式‐振り子音が、刻んでいる

コチコチ・コチコチコチ・コチコチ……

地に伏して、微睡(まどろ)んでいた風が

むっくりと起き上がり、ぐるりひと巡り

辺りを見渡してから、飛び出した。

瞬き始めた、銀河の輝きで、

視えなくなっていた、新た世界への

始発駅‐星座〈開ける星!〉を目指して

コチコチ・コチコチコ・コチコチコチ……

無限数(あまた)〜生命・宇宙の発生の源

新誕生した《無源》に至る、光り道が

ひときわ輝きを増しているる、よ。

『扉を開けて 開ける星』No.2

その星のゲイトを抜けて、無心な光速となって

何処までもどこまでも、滑空(かっくう)して行ったならば

無辺・無究の果てにあると言う

〈生命・宇宙〉の発生の源泉(みなもと)

不条理の事由〈*〉で消滅してしまった

理想郷(エルドラド/El Dorado)な、《新生‐無源!》に

いつの日にか、到達できるかしら

コツコツ・コツコツコツ・コツコツ……

——地球では、狂気・狂乱! 低温・高湿の

自然災害のニュースが時々に、奔出(ほんしゅつ)してる。

超機械-量子コンピューターの開発・作動による

自然破壊・支配がさらに加速して……

〈自然〉から反発・反乱が起きているる。

『扉を開けて 開ける星』No.1

一晩中「どなた?」かが、玄関の扉の

叩き金(ドア・ノッカー)で、ドアを叩いている

コツコツ・コツコツコツ・コツコツ……

風は無く、一本で杜もりのような庭の大楠(おおくす)から

千年余〜抱えていた静寂が滴となって落ちている。

ミニ展望台のある二階の天窓の、はるか

久遠の向こうには、数珠(ずず)黒い幾層もの

宇宙塵芥(ダークマター)を突いて、見たことことのない星が

一点! ミクロな穴を穿うがっているかのよう。

星の名は「開ける星!」

肉眼では視ることの叶わない

銀河宇宙を、10億個集めた〈三千大千世界〈*〉〉

わたくしたちの宇宙の、終着駅〜&そして〜

ここを出でて、広大無辺・無窮の

外宇宙に向かう、始発駅ともなるる。

「宇宙浄化・宇宙革命!」を敢行(かんこう)している

神々の集う「革命の星」とも呼ぶ。