新訂詩文『初音(はつね)ウグイス』No.3

「よーく観て、視てみてごらん!」

人間イノチの本体《魂(ミタマ)》は、卵のように本体を守るかに、

幾重にも殻を、異次元に繋がる表現体〈❊〉をまとってる。

私のワタシの、わたくし自身は……

いずこより来たりて、何処いずこへと向かう。

「だれも知ろうとしないの、ほんとのこと」

青く清楚だった地球が、グローバルに、

半透明なダーク・グレイに変色していないか。

異常気象‐温暖化、米国カリフォルニア州の、

デスバレー公園では、日中気温が約五十四度越えし、

真夜中は五十度余の熱帯夜となり、

もはや止めようもないのか地球の温暖化・砂漠化・・・・・・

変異・異変のパレードの開幕するるか。

第三次デジタル〈産業革命〉の、専制・独占化が進み、

機械科学‐幻想企業や、戦争兵器産業は、

この世の春を謳歌するかの、好景気かな。

新訂詩文『初音(はつね)ウグイス』No.2

昨年までの杉樹林での、

子ウグイスの発声練習は、ずっと、

「ホー ケキョ」

「ホー ケキョ」でした。

そして「ホー ホケキョ」に。

あと三日、梅雨が明けて今年もさらに、

異常な暑さの夏到来に、「ホー ホケホケ」が

ウグイス族のする「ホー ホケキョ」のさえずりの、

逸脱‐もどりから卒業できるかしらん。

「ホー ホケホケ」

「ホー ホケホケ」

年めぐり桜樹の新緑え立ち、梅雨惜しみ惜しむ、

天上〜天下、宇宙そらまでハレ上がってる。

素知らぬ振りで、長い列をなし暗雲〜流れ行き、

勢いたけるゲリラ雷雨に、今年から新たに参戦した、

線状降水帯の狂気の嵐、どなたが操縦しているる。

その息軒昂けんこうにして、地震に次ぐ被害は甚大、

世界の十大陸を集め縮小したかの、縮図〈❊〉日本列島で、

なに起きているる・・・・・・猛暑けした杉樹林で、

しばらくじっと、息を潜めていたかのウグイスが、

嵐の途切れ間に「ここに居るよっ」啼きはじめた。

「ホー ホケホケ」だったウグイスが成人して、

百年の杜に帰って来た、今いまに、なに起きているる。

新訂詩文『初音(はつね)ウグイス』No.1

初音はつねウグイス』 中嶋 稔

東北‐奥羽の、もりの都の郊外の、

縄文山の《百年の杜》で、

杉樹林の中、杉樹の天井を、

突き抜けた蝦夷エゾ松が、みやび雄壮、

天空を支えているかに、リンと立っていた。

異常気象の星月夜に、

突風が吹き荒れ、荒れに荒れて、

太い幹の中途から折れて、

百余年の年輪‐刻みをやめていた。

「ホー ホケホケ」

「ホー ホケホケ」

「ホー ホケホケ」

近まで、少しく小さな声で、

「ホー ホケキョ」

同じウグイスかと思ったら、

「ホー ホケホケ」

親ウグイスの声もするる。

「ホー ホケキョ」