「始まりがあれば、終わりがある」
かつて人間ヒトがいた場所に、いつからか、
誰ひとりも見えなくなっていた。
人間のする仕事を機械が代行してる。
改札口でする乗車切符のカットも、
切符販売していた窓口にも、乗客の往来する、
駅空間にもうだれ一人の、駅員も見えなくなっていた。
あらゆるトラブル・事故を想起して、物理科学の、
精緻せいち・精密な粋すいを集めて開発された機械‐
切符販売機や改札口はミスなど犯さない。
過剰労働で消耗し、故障することはあるけれども。
「科学による高度な機械文明化で、ほんとうに、
この世の誰が恩恵を受け、利便になったの?」