『沈黙 風立ちぬ』No.5

「Shut up(シャラップ!)」 (Shut your mouth up!)

「おだまり!」よ、お静かに。

他人ヒトがいなくとも、四六時中〜微細に、

動いている唇、常におしゃべりしてる、

脳(Brainブレイン)のストレス症状……私の中に、

もう一人の成りすまししたワタシがいて、

喋っている……どなたが設定・操作しているる、

ワタシもあなたも、みんな皆みんな、

「要注意ビー ケアフル!」SF映画に真似られたよう、

もう自分自身では、意識化不能、

自覚無しの、日々の機械的な言・動、

あろう事か〈人工頭脳・AIエーアイ〉化していないか。

機械・道具だけでなく、私のワタシ……自分の中の、

高度な機械科学的な他者なりすまし、「無言(ビー サイレント!)」

それと知れぬよう、自然にナチュレに、

生命発生の無の源より、超素粒子(ミクロ)な、

「風立ちぬ! イブきますように」

『沈黙 風立ちぬ』No.4

「無言!」(Silence)

 

人々に、地球でなに起きているる。

眼には観えない異次元世界で、人類未曾有(みぞう)の大惨劇が、

進行しているる「人類滅亡・ハルマゲドン!」が、

自然性・人間性喪失が、SFのように起きてしまった。

ちまたでは機械科学文明が急速に発展して、

機械やロボットの《AI・人工頭脳》化が、

パンデミック、第三次産業革命を謳歌しようとしている。

地球・物質現象世界は逆説 (Paradoxパラドックス) 世界、

SF映画の情報源ソースは、監督・脚本家が肉眼では観えない、

異次元世界の出来ごとを感得し写生した作品モノ。

音楽家ミュージシャンは無心〜耳をすませば、

「自分の周りに新たな楽曲は、満ち満ちている」と。

創作作家は「言葉や物語は上から降りてくる」

アートや発明・発見は全くの無から生まれてはいない。

『沈黙 風立ちぬ』No.3

沈黙!」〜おだまりよ。

 

人類にも大異変が起きているる、

社会的・日常的な対話・交流コミュニケーションが成り立たない、

いっけん何事も無かったかのよう……多重人格障害、

本人はそれと知らない……自分の中に、

もうひとり・ふたりの、コピーされた私が、

自分自身に成りすまして言・動してないか。

「Aの案件の仕事お願いします」

連絡なしの数日後、問いかけると、

「Bの方が良いと思いましたので、Bにしました」

「………」

「Cの件はどうなりましたか」

「聞いてません、まったく」

そのまなこは、嘘言(ウソ)を言っていなかった!?

言葉はどうであれ眼は本心を語ってる。

『沈黙 風立ちぬ』No.2

「Biビ silentサイレント」 しずかに。

 

地球の極北・極南の地の大気を、

青・緑、時に赤色に発光するオーロラが、

北海道や東北、能登半島・関東などにも、

日本列島の各地で観測(<※>)されていた。

太陽爆発フレアが起き、磁気嵐が地球を席巻(せっけん)してる。

自然災害・異常気候……歪んで常軌を逸した、

物理・科学が破壊し、機械・科学化した自然は、

なお、有機的に連関している生命宇宙(せかい)……

その中心には太陽がいるるも、もう限界、

太陽初めて以来最大の、フレア起こして、

大自然の病態・病弊から、脱皮・躍動しようとて、

もがき発光していないか。

『沈黙 風立ちぬ』No.1

『沈黙 風立ちぬ』  中嶋 稔

一陣の風が吹いてきた「風立ちぬ!」

汗ばんだ頬を、優しく撫(な)でて行くように。

閉じることに慣れた、鼻腔(びくう)を少し開ければ、

ほんのりと甘酸っぱく、すえた匂いがするる、

それと知られぬように、匂いの元を尋ねると、

過去からではなく、未来からやって来たかの、

疲労困憊(こんぱい)した風神の吐息だったか、それは。

カムフラージュされた、甘酢の腐れ、

生命の新たな働きが混じっているかに。

『短詩集』No.2

   ❊  ❊

「消去しますか」

下になっていた原稿の、ワードに設定されていた、

消去ボタンを、「押してはダメ!」なのに、

なぜか復元できないのに、押して、

完成詩文を抹消してしまった。

この「短詩集」を作る、きっかけとなったポエムだった。

とても気に入った、「よくできていた!」

記憶からその内容、みごと情景も何も無しに、

消去してしまっている、自分の中のもう一人、

成りすましの機械的な私が、その犯人、

過去もっと長文も……何度も懲(こ)りずに消していた。

『短詩集』No.1

❊  ❊

どなたが雪雲をちぎっている、

繊細の手指で……この世の存りて在りる音・

喧騒けんそうをシンシンと、吸収しているかに白樺樹林に、

白雪の舞い舞い放下(ほうげ)するる。

傷つけた白樺の幹からは樹液が、

凍らずに受容器に、滴したたり落ちてる。

サプリで飲んだ、ほんのり甘い白樺樹液、

体液に混じって、副腎(Adrenal gland)の、

抗菌力・免疫力を助成するかに、

ヒトの身体をくまなく巡って行くよ。

白樺には、北の白雪が良く似合う。

『闇の底いに向かって』No.2

 

降り注ぐ雨は山肌を縫う細流となり、

渓流をなし、束ねた水流が烈しく落ちてゆく、

深いふかい谷底に向かって、滝の飛沫が、

無心の舞い舞い放下(ほうげ)してる。

重いおもい肥満の心が削がれながら、

墜ちてゆく、落ちて行き、ゆるやかに降りてゆく、

黒闇の底無しに向かって。

気の遠くなる程、時が流浪した闇を穿(うが)ち、

やがて……何処からともなく、

ほのぼのと灯が湧いて来て、ほのめいているる。

やがて谷間(たにあい)の滝の音が、鮮やかに朝色に染まってく。

山頂への上昇志向ばかりでなく、時に降りて行く、

あれやこれ過去がいっぱい詰まった、闇の底いに向かって。

『闇の底いに向かって』No.1

『闇の底いに向かって』  中嶋 稔

人生を山に例えて、

ひたすらに、頂上目指して登ることに、

倦(う)みあぐねた心よ……立ち止まり、

汗ばんだ頬を撫でてゆく、

山あいを渡る風の音を聴き、

ブナ、ナラ樹の葉ずれに耳を寄せる。

アマツバメ、イワヒバリ、頭部がオレンジ色のコマドリ、

ブルーな羽のルリビタキ達のヒソヒソ声や、

小ぶりの角のニホンカモシカや、ヤマネ、

可憐な貂(テ)ン顔に似て、岩をつかむ獰猛(どうもうな)手爪のオコジョの、

山岳を駆け抜けた息のするる。

上ばかり見ていた重いまなこを下に落とす、

微かに水の音が、谷のそこはかとない匂いが届いて来ないか。