——何処より、やって来たのか人類(mankind )
窓の外は、「豪雨‐注意報!」が発令され、
ドシャ・バシャと雨、降り落ちているのに、
建物の中では、ドイツ製のアンティークな柱時計が、
昨日とそっくり同じ、「チク・タク・チク・タク」
豪雨の音を断つかに、静寂の時を刻んでいる。
西欧の片田舎の教会で、時刻(とき)を告げる晩鐘の音が、
鳴り響くかに、振り子がプラチナ色の時を打つ。
何故に玄関が出入り口であることを、辞めてしまったのか、
誰も知らない……ぐるり近在では、「開かずの青い館」とも呼ばれてた。
エメラルド色の、玉葱(たまねぎ)のような尖塔(せんとう)屋根が幾つもある、
ゴシック調-教会と、アラベスクなモスク調-建築物を、
合わせたかの建物……一度中に入ったなら、二度ともう、
外には出ては行けない、「否(ノン)!」あえて、
「外に出て行きたくない……」想念(おもい)するる。