——童謡「雨降りお月(さん(*註))」との共作(コラボレーション)
中嶋 稔
「雨降りお月さん 雲の蔭 (かげ )
お嫁にゆくときゃ 誰とゆく」
わけもなく胸心(むね)が痛く、苦しいからと言って
すっぽりと心を、覆い隠してしまうわけにも
ゆかぬので、虚心坦懐(きょしんたんかい)〈無心!〉を忘れた心には
せめてもそっと、雨傘を掛けて上げようか。
「雨〜雨〜降れ〜降れ、もっと!」とくべつに
理由(わけ)があるでも無し、不安・寂寥・虚無に
襲われるこころを、時々に洗い流そう……
日々刻々、眼に視えぬ異次元世界から降りしきる
ストレス原因の障り・汚れのアメには、せめても
竹籤(ひご)で組んだ油紙の雨傘を、そっとさして上げようか