『初音(はつね)ウグイス』No.3

 

やがて素知らぬ振りして、長い列をなし、

暗雲の流れゆき、勢い猛(たけ)るゲリラ雷雨に、

今年から新たに参戦した、線状降水帯の大嵐、

どなたが操縦しているる、その息軒昂(けんこう)にして、

地震に次ぐ被害は甚大……世界の縮図〈❊〉――ひときわ、

コンパクトな日本列島で、なに起きているる。

猛暑灼やけした杉樹林で、しばらくじっと、

息を潜めていたかのウグイスが、

嵐の途切れ間に「ここに居るよっ」と啼きはじめた。

「ホー ホケホケ」だったウグイスが成人して、

帰って来ていた頃合いに……眼には見えない、

異次元世界〈❊〉から、人類への不要の贈り物、

大異変が起きていた。科学技術の粋(すい)を極めた、

機械化していた〈生命・宇宙〉、久遠の過去の、

過去から、造作もなく宇宙をコピーして、

造ってきていた異次元の、超機械〈量子コンピューター〉、

堕落した機械神〈❊〉(妖怪神Monster God)の操作で、

人類への生成《AIエーアイ(人工知脳)》化を成し遂げ、

人間の精神(メンタル)支配が完了し、ちまたでは日常‐

会話(Conversation)・接客(Service)……に、

善・悪巴(ともえ)の否定癖の言葉のあだ花が、百花繚乱(ひゃっかりょうらん)してる。