詩文『光りと影のアラベスク』No1

 

中嶋 稔

自然(Natureネイチャー)も人類も、急激な変異の渦流に、

ヒト知れずに、飲み込まれているる。

酷暑の街々や夕涼みの縁台に、急に降る雨、

夏の季語‐夕立ゆだちは驟雨(しゅうう)・喜雨、突然の真っ白な、

瀑布のよな雨は白雨(はくう)とも……季語を喪失し、至るところ、

自然災害の爪痕を刻印し、神出・鬼没の大雨は、

ゲリラ雨〜ゲリラ雷雨、バージョンアップして、

線状降水帯〜「やまない雨はない」のに、

止むことない連鎖の豪雨の降るる、大厄・災害の日本列島、

酷暑に木陰も押し流され……海には、影たちの骸骸むくろが、

行くあてもなく、漂流しているらし。