『洞爺湖〜幻視〜秘蜜儀軌(ひみつぎき)』 中嶋 稔(詩稿)
アイヌ人は古来より、〈洞爺湖〉のことを、
山の湖「キムン・トー」と呼称してきました。
11万年前に、火山の噴火で大地に穴が空き、
洞爺‐カルデラ(釜)となり、そこに水が溜まり、
カルデラ湖‐洞爺湖が成形されました。
幾星霜〜時経(とき へ)めぐり、2万年ほど前に、
前身の有珠山(うすざん)が造山活動を開始して、繰り返し、
繰り返し玄武岩マグマを噴出し、成層火山と、
暗色の岩滓(がんさい)‐スコリア丘を造型(デザイン)しました。
〈有珠山〉のウス(ウシ)は、入り江・馬蹄形(火山)の意で、
アイヌ人は、新しい山「アシリヌプリ」と呼びました。
ここまでは科学‐地質学的な、儀軌・規範(norm)です……。
(本日の言葉に移行)