『海水‐藻塩幻想』No.1 中嶋 稔

                    中嶋 稔

海中にゆらいで生えている海藻(かいそう)〈ホンダワラ〉と、

海水で作る滋養豊かな〈藻塩(もしお)〉……塩には、

コンピューターでも使われる、

希土類(きどるい)〈レアアース〉が含まれているらし。

綿の実が開絮(はじけ)て咲いた、綿花(コットン)のような、

雲がもいくつも流れ行く。

みじんの風が、感じられないのに、

日本列島の背骨(バックボーン)の奥羽山脈‐

蔵王連峰の稜線に沿って、まったりと、

過去から未来に向かって、シルクロード行く、

 長いながいラクダの隊商に似た雲・くも達、

逢魔(おうま)が時を紅花色に染めて、流(ル)・ル・ル、

流れ行く……およそ、百万年前に、

太平洋下にあった蔵王連嶺、さらにむかし、

太古の昔、二百五十万年前から、

太平洋上に在った《ムウ大陸‐文明!》は、

超高度な科学文明を築き、栄枯盛衰〜

百五十万年後の大自然災害・天変地異により、

太平洋下に、跡形もなく沈み込み、

海の藻屑となってしまった