『ワタシ‐変です!』No.2 中嶋 稔
冬の「通り雨」など、季語にはないのに、
晴れて冷却していた冬の大地に、こつぜんとやって来て、
凍(い)てついて、針刺す強雨(ごうう)の降るる・・・街路樹が、
弾き返したかの雨滴が、服の上から肌に突き刺さる。
またたく間に、凍(しば)れる痛みを残して、
高層ビルの方角に去って行った、冬の通り雨・・・。
視えない? 感じないから? 非在‐扱いしてはいけない。
くまなく宇宙全体を、覆い尽くしてしまったかの、
〈ダーク・マター〉‐透明な宇宙ゴミが、秘密裏(り)に、
地球のオゾン層を、突き破って侵犯しているるか。
蜘蛛の糸より細いほそい、その先き端で突き刺されても、
痛痒(つうよう)など知覚しないのかもしれない、が日々・
刻々の日常に明らかに生じてる、生存することの不条理!
訳けもなく湧いてくる、ムカつき・キレる‐衝動!
どこぞに密(ひ)そむ、不安・恐怖! 寂寥(せきりょう)・孤独‐感、
得体の知れない、虚無・不在〜〜閉じこもり、何もかも、
破壊してしまいたい! 消えてしまいたい……
ヒトの命の無意識〜その底の《ミタマ(魂)》は傷ついているる。