乾季に続く暑季で枯れ果て荒涼とした、アンデス山脈裾の、
モホス大平原は、天空の湖の底を抜いたかのような、
スコールの雨期がやって来ると、一気にひび割れた大地に、
緑樹・緑草が、燎原(りょうげん)の火のように、萌もえ広がって行く。
灌漑(かんがい)用の涸れかかっていた大きな湖に、新たな水が満ち、
死に絶えたかの魚類は、湖上でその魚鱗たちが飛び交い、
アマゾンの熱帯雨林地に移動していた、動物や猛獣たちも集い、
亜熱帯サバンナはイノチ躍動の雨季を迎える。
時に広大なアマゾン上流の、支流域の雨季は、
大洪水してモホス平原は大海原のよう……