『クレオール(Criollo(クリオーリョ)なカリブ海』 No.2

その終幕をするすると曳くように、逢魔(おうまが)どきの空、

群青色に染めて、満天に星々が生まれる

 

昼には灼(や)けた頬を焦がすかに 北東‐貿易風(vientos/ビエント alisios/アリシオス)が

夜にはいく筋もの涙をぬぐい シミ跡の残る頬を

ヒト知れず優しく 吹き過ぎて行く

時に忘却した過去を掘り起こすかに 烈しく

混血(クレオール)の海から起きたハリケーンが カリブ海諸島や

中南米の海浜より上陸して うつろうつろ惰眠して

忘却しかかった過去の惨劇(tragedia/トラヘーディア)を 揺り起こすかに

熱帯雨林には「目覚めよ(アウェアー)」と鳴くオウム住む