『空と海と白浜のエメラルド諸島』No.2

突然、天蓋(てんがい)をひっくり返したかのようなスコールが、

渇いて塵埃(ほこり)立つサンゴ砂(Arena/アレナ)の地に、

深くふかく底い深くまで、染しみ込んでいるる。

スペインやアメリカよる植民地支配の辛酸・辛苦! し、

旧‐日本帝国軍の侵略に抵抗した、怨恨の血涙を、

浄め流すように、空(くう)の働き侍する女神ワカヒルメ大神(おおかみ)の、

慈愛の涙降るる……過去の惨劇の闇を、

忘却し葬り去るのではなく、清澄な光を椰子樹にともし、

ヒトの世界の、心の底のそこに潜む黑闇を、

「ハレ!」やかにしてく……

ルソン島・セブ島……の、逢魔(おうま)が時の夜空には、

今日も新たなる光を宿した、星〜星が、

大空そらいっぱいに、瞬(またた)き清めしているるか……

天上〜天下は、「本日も、晴天なり!」