『幻想の生命・宇宙詩』 No.1

             中島 稔

「生命・宇宙は機械‐幻想!」  

冬木立に、雪落ちの風の吹く

師走の冨士の御山(みやま)はことのほか

雪白の秀麗・神秘な、み姿しているる

背景には、果てしなく澄み渡った

紺碧の空……江戸の浮世絵師が

繊細の和紙に描いたかのよう

透明に底落ちした、その<北斎ブルー>は

久遠の旅に疲弊(ひへい)して、黒闇物質(ダークマター)色に

染め堕(おち)てしまった、生命・宇宙

その果ての果てにまで、突き貫いて

清冽(せいれつ)に祓え・浄化しているかに