嫗(おうな)は子供の頃から股関節脱臼で、微妙に片足を引きずり、
ときどき激痛が走り……六十才で手術を受けるも、
痛みは治らず、片足は短かくなっていた。
身体のバランスが崩れやすくなっていても、滝中では、
両手をあげてリンと立ち、心地よく、
天を仰ぎ、真冬の真っ白い瀑布に包まれて、
何事か滝の神とお噺(はなし)しているかに。
(旧)滝の神を瀬織津姫セオリツヒメ〈❊〉と言い、神様の世界で変革が起こり、
現‐水の神はセセラギヒコ神・セセラギヒメ神と、
別々の男女神の働きになった。
滝《水の働き》は人間や他の生命体では、血液・体液を通して、
その汚れを清め、エネルギー転化して活力を与え、
自然界では、川の水を堰(せき)止めたダムで、
電力エネルギーに変換してる。