新訂『滝・流水幻想』No.4

 

嫗(おうな)は子供の頃から股関節脱臼で、微妙に片足を引きずり、

ときどき激痛が走り……六十才で手術を受けるも、

痛みは治らず、片足は短かくなっていた。

身体のバランスが崩れやすくなっていても、滝中では、

両手をあげてリンと立ち、心地よく、

天を仰ぎ、真冬の真っ白い瀑布に包まれて、

何事か滝の神とお噺(はなし)しているかに。

(旧)滝の神を瀬織津姫セオリツヒメ〈❊〉と言い、神様の世界で変革が起こり、

現‐水の神はセセラギヒコ神・セセラギヒメ神と、

別々の男女神の働きになった。

滝《水の働き》は人間や他の生命体では、血液・体液を通して、

その汚れを清め、エネルギー転化して活力を与え、

自然界では、川の水を堰(せき)止めたダムで、

電力エネルギーに変換してる。