『滝・水 幻想』 No.3

滝嫗たきおみなは子供の頃から股関節脱臼で、微妙に片足を引きずり、

ときどき激痛が走り……六十才で手術を受けて、

激痛は治ったものの、更に片足が短かくなり、

身体のバランスが崩れやすくなっていても、滝中では、

両手をあげて、リンと立ち、心地よく、

天を仰ぎ、真冬の真っ白い瀑布に包まれて、

何事か滝の神とお噺はなししているかに。

(旧)滝の神を瀬織津姫セオリツヒメと言い、神様の世界で変革が起こり、

現‐水の神はセセラギヒコ神・セセラギヒメ神と、

男女別々の神の働きにあらたまった。