<動物>たちですが、大雪山系の厳しく複雑な自然環境の中で、北極熊と並ぶ最大の体長をした、茶色の剛毛に覆われたヒグマ(羆・樋熊・緋熊/学名‐Ursus arctos=ウルスス・アルクトス)は、日本で最大の陸生哺乳類です。他にキタキツネ・タヌキ・エゾイタチ、クロテン・エゾオコジョやエゾユキウサギ・エゾナキウサギ、エゾシマリス・エゾリス・エゾモモンガやエゾシカ、トガリネズミ・ネズミ類など、道内に生息するほとんどの種がこの地に生息しています。その中でもエゾナキウサギは氷河期に大陸から渡ってきた為に暑さにとても弱く、涼しい山の岩塊地に住み場所は限られています。
先住民族の一つの<アイヌ>は、《大雪山》のことを「ヌタップカウシペ」=ヌタプカウシュペnutap-ka-us-pe/川が巡る上(流)にある山と言い、大雪山系と十勝岳連峰と合わせて「オプタテシケ 」= op-ta-tes-ke/槍がそそり立っている山」と呼んでいました。トウムラシ山と忠別岳には「神遊びの沼」と言う場所があり、そこにはヒグマ(山神‐キンカムイ)が多数生息しています。
大雪山の前身として、およそ3万8千年前に<御鉢平カルデラ>が形成され、1万年前から西部で繰り返し噴火が起こり、旭岳(成層火山)が立ち上がりました。約5600年前に旭岳は、山体の一部が崩壊する噴火が起こり、現在見られるような山容を形成しましたが、旭岳は現在も盛んな噴気活動を行っています。約250年前以降に、最新の水蒸気爆発が起きています。