『も一人のワタクシ』No.1

☆詩文 中嶋 稔

文字を書いているわたくしの中、

脳髄でセミが鳴いている、

色々の蝉が一斉に鳴っている。

無心に成るととても騒がしい、

蝉の林を飼っているわけでは無い。

いつから無心が、始まったのか記憶にはない、

時々清澄なキーン音も通り過ぎる。

狂ってしまったり、認知症してるわけでもない、

すこぶる健康しているる。

明らかに肉眼では見えない世界がある。

万年筆で文字している今のわたくし以外に、

別の宇宙(せかい)に、も一人のワタクシがいる。

とっても自由に、あちらこちら、

銀河宇宙の向こうの世界を飛び回ってる。

 

植物の精霊達が、何やらお喋りしているかに、

いま眼にしている、機械コピー的な植物達と違い、

イキイキして、自由に場所を移動しているる。

わたくしたち物質現象世界と、

植物‐精霊界との間は、厚いガラス質の壁で遮断され、

閉じ込められているかに、おいそれと、

交流できないようになっている。

眼にしている現生(うつしよ)現象界には、妖霊がばっこし、

かどわかしなどしていないか、

あの世の常世(とこよ)には、自然生命の精霊が出番を待っている(!?)

〜つづく〜