『日暈(がさ)・月暈・心暈(がさ)』No.6

「雨降りお月さん 雲の蔭 
お馬にゆられて ぬれてゆく 」

――童謡(nursery/ナーサリー)は、山里から五つ山を越えた 

向こうの町に住む許婚者に嫁ぐ、雨情〈*註〉の姉のお噺はなし&と

2歳で亡くなった次女・恒子が、月に召されて

嫁ぐお説話はなしとも……今では、少女も結婚前の人も  

「雨降りお月さん」はもう歌わないよね

「日暈(がさ)・月暈・心暈(がさ)」〜裸のカラダには、機械の雨は

辛かろう、せめてもナチュレな暈(カラカサ)をさそう

ますます加速してゆく、量子コンピューター開発で

〈機械科学の現代文明!〉は、歯止めはもう計わない。

サイボーグ化して、傷ついてゆくナチュレ (natural)なヒトのこころ逹〜心的‐細胞の遺伝子ゲノムにも

その操作が深くふかく、及んでいるらし……

「シャラシャラ、シャンシャン、鈴付けた」〜鈴が鳴る!

眼には視えない〈ナノ‐ミクロ〉な、機械システムの

どしゃぶる雨には、竹籤ひごで組み、朱色の油紙を貼った

京和傘をそっと、かけて上げようか。

*〈註〉=「雨降りお月(さん)」野口雨情‐作詞

中山晋平‐作曲

逝去なされてあちらにおられる、野口雨情さんとは、

お話しして、歌詩「雨降りお月(さん)」ご使用の、

ご許可をいただきました。そして一緒に詩(うた)いました。

分けもなく、ともに涙雨を流しました、あしからず。