『洞爺湖‐新説話 風の栖(すみか)』 No.2

 

風の栖(すみか)は 洞爺湖ジオパークの

何処に潜み 久しく住居するるか

 

湖の向こう〈蝦夷(エゾ)富士〉後方羊蹄山(しりべしやま)〜

「尻別川と真狩川が後方を巡っている山」の、

アイヌ語のマッカリヌプリから、風の吹くか。

洞爺湖を挟んで、両翼に海が見える、

右方の噴火湾より、太平洋が、

少しく離れて、左方に日本海が……

真冬の雨の日には、湖岸や岩や木々の枝〜枝に、

風のアートする「飛沫(しぶき)氷」が、重力を無視した、

不条理な氷結‐彫刻してる……

樹々の枝と枝を結んだ、ラグビーボール状の氷結、

こじんまりとした、切り出し氷のように氷結して、

その底いから幾本もの、鉛筆形〜氷柱が下がり、

先き端には、少しく大きめの線香花火のよう、

今にも落ちそうな氷玉ひだまを付けている。

冬雨と風が創作する、舞踏バレーの難度ポーズ、

片足立ち90度角に、開脚した足を真っ直ぐ上にあげ、

手は前後に延べる、アラベスク・ポーズに似た氷結してる。