詩文『樹林 幻想』 No.3

 

☆花粉症、杉樹(スギ)花粉が悪いのではない……科学が壊した、

 自然(ナチュレ)欠如のアレルギー症状(Symptoms)か。

海風に抗ってきた松樹林が、大津波で地面から、

浮き足立ちし、立ち枯れてしまった。

防風林・砂防林の仕事を失職した、

新たな松林は、コンクリートの高い堤防に守られ、

ひっそりと佇(たたず)で……何しているる。

その年から松樹林からセミ殻が消えて、

蝉時雨(しぐれ)もなくなり、テトラポット打つ波濤が海音となった。

本当の働き・意味よりも、たてまえが優先される、

機械科学‐量子コンピューター・システムのする、

現代(いま)全盛時代に、ますます自然は無機化してゆき、

ヒトの身体は病体化し薬品づけ、病んだ臓器・

器官に替わって精密機械の臓器・器官が、

病院ネットワーク・システムにジョイントして、秒刻みで、

何処にあっても、監視(まもら)れているかに、

病院の白いベッドは、ついの栖(すみか)となるか。