『詩人‐関根隆との邂逅(かいこう)』  No.1

長い間、どこぞかに隠れていた(?)詩集が見つかりました。引っ越し先の荷物をほどいて並べて頂いた本棚に、並んだ本の上に隠れんぼするように、屈まないと見えない所に置いてありました。

詩集「午後4時のフェミニスト」1986年1月16日発行200部限定、第「60」冊目(赤い印字)に当たる、豪華な装丁本で定価は1万円でした。

「謹呈  関根隆」のボールぺのサインがあり、ご自身の文字に本人曰く、「ミミズが這ったような文字」〜一字・一字! タマシイこめてひときわ丁寧に、書いている姿が印象されています。お手紙も新聞の切り抜き——詩人‐吉野弘の「かすかなユーモアと控え目なエロス」の新聞-書評も入っていました。

〈新世界への道〉➝酷暑に真冬の詩を! No.5

『寒〜暑 烈しき町で』  <5>      中島 稔

いつ頃からか日本列島は雪、少なとなり、

夏は記録的‐酷暑が続き、「地球は温暖化に向かっている!」も、

今年‐正月明けに、大寒波に襲われ「非常事態宣言!」の、

ニューヨークや空港……西欧も「寒冷地化してしまってる?」

予報士泣かせの、ゲリラ台風・大竜巻・大洪水、

北の国では豪雪‐注意報など、「天候‐大異変!」

のニュースが、枚挙(まいきょ)に遑(いとま)なく放映されている。

〈新世界への道〉➝酷暑に真冬の詩を! No.4

『寒〜暑 烈しき町で』  <4>  中島 稔

一昨日まで、煤(すす)けていた空の顔(かんばせ)を、

洗い清めて、まっさらな朝陽が立ち昇ってゆく。

オナガ・カケス・シジュウガラ・スズメ……達、

除雪して、斑点(まだら)模様に溶け始めた庭で、

放(ほう)ったお米・残飯を、競って啄(ついば)んでいる。

裏庭の家陰(やかげ)には、屋根からずり落ちた雪も載(の)り、

7〜80㌢の積雪に、昭和30年頃にタイムスリップしたかのよう。

 

〈新世界への道〉➝酷暑に真冬の詩を! No.3

『寒〜暑 烈しき町で』  <3>  中島  稔

四月(うづき)には赤・白・ピンクに咲き染める、花言葉は、

永続・公平・「私の想い受け止めて!」の、

ハナミズキの街路樹を、すばしこく走り抜け、

冬枯れの木に、雪花(ゆきばな)咲かせてく。

一日25時間、ところ狭しと飛んで跳はねて、

雪橇(ゆきぞり)を駆り走り回っているる、雪の精‐

雪ん子たちを、誰も視ることができなくなったの?

雪ん子と遊ぶ子供たちは、何処に行ってしまった。

〈新世界への道〉➝酷暑に真冬の詩を! No.2

『寒〜暑 烈しき町で』 <2>  中島 稔

ヒトの記憶から、久しく説話(おはなし)からも、

消えていた〈雪ん子〉たちが、突然現われて、

小さなビルからビルへ、日がな工業団地の、

粘板岩(ねんばんがん)のスレート屋根の、大きな滑り台や、

山麓の別荘を移したかの、お伽噺(とぎばなし)ちっくな、

ログハウスや、枯れ芝になっていたその庭へ、

朝からメロンパン焼く、トンガリ帽子屋根の

ベーカリーに、雪橇(ゆきぞり)を駆(か)り、巡って行った。

〈新世界への道〉➝酷暑に真冬の詩を! No.1

『寒〜暑 烈しき町で』     中嶋 稔

年に一〜二度だけ、ほんの少し雪の降るる、

空(から)っ風の吹きまくる町で、今年ばかりは

ドシン・ドシン・ドシン……北極の白クマのような、

大雪が容赦無く、落ちてきた。

むかしは上毛(かみつけ)の平野側は、雪国でもないのに、

軒先きから、いく本もの太いツララが下がり、

雪室(かまくら)を作ることができる時節(とき)もあった。

今いま!〈新世界への道〉→『わたし人間はこのままではサイボーグ』

わたしの脳や身体はこのままでは、機械体サーボーグ! 

この肉体のどの器官・臓器をとってみても、

わたし自身のモノは、何一つなし。

朝食に食べたお米や野菜・魚や卵が身体の、

血肉となるも……その働き-要素は、

わたし自身によるものでは無い!

他の生命(イノチ)たちの、生命エネルギーを摂取して、

形成されている、わたしの肉体-要素……。

どなたが管理・運営しているる、身体-環境(ワールド)。

 

 

今いま!〈新世界への道〉→ 『山の湖‐水上花火』No.5 中島 稔

洞爺湖の 秘め事燃やし 水上花火か

水上花火か 百花繚乱りょうらん 山の湖キムントー

天翔あま かける 湖面走るや 花火! 舞踏まい

 

〈*〉註=『マトリックス・Ⅲ部作』この世界はコンピューターが作った仮想世界である! そのシステムに支配されて、サイボーグ‐奴隷化した人類を救済する為に救世主‐〈ネオ〉は、トリニティーとモーヒィアスを中心にした人類の抵抗軍に加わり、現実と仮想空間とを行き来しながら、エージェント‐〈スミス〉を中心とした、コンピューター支配システムと戦い、それを打ち破って人類を解放する。

〈*〉註=全国14都道府県で200余名の大豪雨・大災害の犠牲者(平成30・7・12現在)、の方々の、ご冥福を心より祈りあげます!

今いま!〈新世界への道〉→ 『山の湖‐水上花火』No.4 中島 稔

テスココ湖の二つの島‐テノチティトランと、

トラテロルコに築かれた〈アステカ帝國〉の、

30万の黄金都市は……やがて、南米‐アンデス・インカ(マチュピチュ)文明&

中南米‐マヤ文明の、諸‐都市とともに、スペイン・キリスト教徒の、

植民地‐侵略戦争で、13世紀初頭に滅亡するる……。

メキシコ・シティの地下に破壊‐埋没し、昏睡していた、

血塗られたアステカ文明……そのデジャブを投影する水海(みずうみ)、

初夏の〈キムントー〉山の湖‐洞爺湖に、

凍てついて針刺す、涙色の雨の烈しく降るる。

「平成30年7月豪雨」〜7号台風は、

日本列島〜中部地方‐以南〜北海道・大雪山の地も、

抉えぐり取り深く、その爪痕〈*〉を刻印しているるか。

 

 

今いま!〈新世界への道〉→ 『山の湖‐水上花火』No.3 中島 稔

世界大陸を縮小して集めると、日本列島となる不思議(ミステリアス)、

世界地図を俯瞰ふかんすると北海道は、北米大陸に酷似してる。

洞爺湖は、メキシコ・シティーの埋め立てられた、

テスココ湖・シャルトカン湖・スンパンゴ湖・チャルコ湖・

ソチミルコ湖を合わせた《旧‐瓢箪(ひょうたん)湖》に当たり、

両湖とも古代より〈羽根の生えた蛇〉伝説・神話のあるる。

中南米(メソアメリカ)の神〈ケツァルコワトル〉は、文化・農耕、

人身供儀を辞めさせた平和の神とも、その、

風の神の化身‐羽毛のある蛇神は、マヤ・アステカ文明の、

ピラミッドの台座にも、造形されている。

洞爺湖の蛇神〈ホヤウカムイ〉のアイヌ伝説は、近在の村で、

流行した天然痘の病魔から、洞爺湖に逃げてきた村人を、

翼を持つ大蛇〈ホヤウカムイ〉の放っていた悪臭で、

疫病神を追い払い、人々を救済した、愛(めで)たいお噺(はなし)のあるる。