詩文『蔵王(ざおう) 神々の連峰(みね)』No.1

 

蔵王の神々の峰々に、青天に映える氷雪アート、

アオモリ‐アオトドマツやアカトドマツ達が、

刻々と変化・変貌してゆく……水と雪を織り交ぜて、

風の神の伊吹(イブキ)で創る<樹氷彫像!>の展覧会は、今たけなわに。

エコーラインには九メートル余の雪壁が聳(そび)え建つ下には、

幻冬の寒さから守られた高山植物達が……鮮緑の葉に白とピンクの、

薄化粧した駒草(コマクサ)や、池塘(ちとう)の畔(あぜ)で黄金色に輝く金光花(キンコウカ)の群落、

草ではなく地を這うよう生える低木の伊吹麝香草(イブキジャコウソウが)、

ピンク紫に風を染め爽やかな芳香している。

魚の住めない、半透明なエメラルドグリーンの火口湖、

急峻なすり鉢の五色沼<御釜>も、雪解けを待つ、

その下には二十六回(タイムズ)以上の噴火を繰り返した、

地球の鮮血‐岩漿(マグマ)、星素材の潜みいる……太陽から離反して、

物質化して死んだ訳ではない地球(テラ)! いつの日にか、

実存‐進化して光に満ち充ちた、大きなる星辰となる日を!

その生命進化‐革命の拠点が日本列島・富士の山嶺に在り、

も一つの秘そみの拠点が蔵王の神々の山嶺にあり。