『クレオール(Criollo(クリオーリョ))なカリブ海』新改訂・詩No.1

〈起(き)詩〉 Causal(コーザル)poema(ポエーマ)

「いく度も濾過(ろか)したかのよう エメラルドの海よ!」

Marcomo si se filtrara varias  esmeralda veces!(マールコモ シー セ フィターラ バリアリアス エスメラルダ ベセス)

紺碧(こんぺき/azul(アジュール)の空を 投影した海

掬(すく)い取ってみれば 海は透明な涙いろ

数限りなく繰り返えす 繰り返えし

「カリブの真珠」の島に 打ち寄せる白波濤(しらなみ)

はるか過去〜時間をめくって、捲(めく)ってみても 

何事もなかったかのよう その底の底いまで 

澄みきった緑碧(エメラルドグリーン)な カリブ海‐Mar(マール) Caribe(カリベ)

〈生命の木〉ココヤシ樹で建造した 帆掛けた〈ダウ船〉が

のどかに帆走(はし)っているる 時には大きく風をはらみ

大西洋(アトランティック オーシャン)を はるかイベリア半島の

スペインまで行き来〜帆走するる 海には

昔むかし‐Hace(アセ)mucho(ムチョ)mucho(ムチョ)tiempo(ティエンポ)

1万5千年前まで 超古代文明を誇って 滅んだ

〈アトランティス大陸〉が在ったらし……

『クレオール(Criollo(クリオーリョ)なカリブ海』 No.3

*(註):<クレオール(Creole)>は、本来はスペイン語の<クリオーリョ(Criolle)ですが、スペイン人を親として現地‐植民地で生まれた人のことでしたが、植民地で生まれていたネーティブ(原地住民)以外の人々を指していました。当初は新大陸生まれのスペイン系の人々を意味でしたが、その後、植民地生まれの白人を指し……やがて、アフリカ系も含む<混血人種(黒人)>を意味するようになりました。

*差別用語として:<黒色人種・黒人>=ニガー(Nigger‐英語圏)、ニグロ(Negro‐ラテン語)→Nigger、ネグロ(Negro‐スペイン語・ポルトガル語/Rio Negro‐ネグロ川「黒い川」アマゾン川の支流)

『クレオール(Criollo(クリオーリョ)なカリブ海』 No.2

その終幕をするすると曳くように、逢魔(おうまが)どきの空、

群青色に染めて、満天に星々が生まれる

 

昼には灼(や)けた頬を焦がすかに 北東‐貿易風(vientos/ビエント alisios/アリシオス)が

夜にはいく筋もの涙をぬぐい シミ跡の残る頬を

ヒト知れず優しく 吹き過ぎて行く

時に忘却した過去を掘り起こすかに 烈しく

混血(クレオール)の海から起きたハリケーンが カリブ海諸島や

中南米の海浜より上陸して うつろうつろ惰眠して

忘却しかかった過去の惨劇(tragedia/トラヘーディア)を 揺り起こすかに

熱帯雨林には「目覚めよ(アウェアー)」と鳴くオウム住む

『クレオール(Criollo(クリオーリョ)なカリブ海』 No.1

*カッコ内は以下‐スペイン語ーードン・ゲバラ(大神)に捧ぐ

 

どこまでも果てしなく 透明で紺碧( azul/アジュール)な空を映じた海

絶え間なく波濤(はとう)する 過去時間をめくっても

まるで何事も、無かったかのように……

その底の底いまで 緑碧(みどり あお)に澄んだカリブ海!

よく視れば人間(ヒト)の 理不尽に犯し続けてきた

惨劇の数々の歴史を地に染めた島々に 今日も

天空を朱色に焦がして 椰子樹林に降(お)り来たる

まわるく欠けのない 大海原の落陽( Sol/ソル caido/カイド)!

『新春譜‐夢』No.1

わたくしが消えた! 夢の中で、

核戦争・核爆発でも、天変地異・

自然大災害でもなかった……近間に、

居たあなたも、あなたがた方みなも、

日本列島も一瞬に、消えて……

新たに生まれ変わった! 感がした。

〈新たな世界〉に瞬間〜移動していた、

弓なりの日本列島も、ぐるり見えていた、

山々も河川、海も空もすべて、地球も一緒に、

消えて生まれ変わった……新たなる輝ける星に。

謹賀新年  No.2

新春に、揃い踏みの静穏・静謐の、

「明け(アケ)・お目(オメ)!」は、

いまだ一度も、記憶には無かったかに……

このように太陽系宇宙・<地球(テラ)>が、

銀河宇宙もろともに、生命・宇宙の、

産みの親《無源》そのものまで、ハレ・澄みきり、

新年して行く、一年となりますように!

言祝(ことほ)ぎ致します。

 

謹賀新年!  No.1

雲ひとつない新春(あらたま)の空を、

地球の心臓の鼓動に合わせるかに、

初日の出が、無音に「ドクドク」と昇ってゆく。

上毛三山の<赤城山・榛名山・妙義山>が、

薄紅色にハレ上がり、扇型の関東平野に、

容赦なく吹き降ろす、上州‐空っ風が、

今日ばかりは、じっと鳴りを潜めているる。

 

 

『風はどこからきた』No.3

これ以上、無口となる心を傷つけない為に、

欲望が〈善〉をまとって迫って来た時、

沈黙か、「いいえ」の「ハイ」か、

選択肢は無きか……ひときわ、今年の短い秋に、

「風が落ちている!」雌雄‐別樹の、

生きている化石‐〈イチョウ樹〉の、

黄金色の鮮烈な絨毯(じゅうたん)の、落ち葉の上に。

 

 

 

 

 

『風はどこからきた』No.2

勢いよく切り捨ててしまったモノ、

誰にも告げずに来てしまったコトに、

無意識の井戸の底いに、何処までも、

その深さを測る、垂鉛(すいえん)の紐を、

垂れ下げて行くように、降りてゆく、

方途か術は無きか……身体の、傷ならば、

包帯を巻いて癒しを待てば、治癒するコトも、

複雑な心の傷には、どんな手当がいるる。

『風はどこからきた』No.1

今日の風は、どこから、

吹き継いできたのか、妙に、

いがらっぽく、逢魔(おうま)が時に、

胸と脳に、渇きひとしお。

 

キッパリと「ノウ!」と言ってしまったコト、その時、

起きていたコトに対してだけでなく、

そのコトに繋がる、忘失してしまった過去に、ふかい、

深い〈心の傷・トラウマ!〉が、繋がってはいないか。

いま! 起きている不都合なこと、

消し去ってしまいたい、避けて、

無しにしたかったコト、

否定しきってしまいたいコトども……

計り知れない過去の、どこかでそれは、

起きていたことと、リンクしていないか?

いつまでもそれは、どこまでも、無意識から浮上する、

不安・イライラを、運び続けているる。