『クレオール(Criollo(クリオーリョ)なカリブ海』 No.1

*カッコ内は以下‐スペイン語ーードン・ゲバラ(大神)に捧ぐ

 

どこまでも果てしなく 透明で紺碧( azul/アジュール)な空を映じた海

絶え間なく波濤(はとう)する 過去時間をめくっても

まるで何事も、無かったかのように……

その底の底いまで 緑碧(みどり あお)に澄んだカリブ海!

よく視れば人間(ヒト)の 理不尽に犯し続けてきた

惨劇の数々の歴史を地に染めた島々に 今日も

天空を朱色に焦がして 椰子樹林に降(お)り来たる

まわるく欠けのない 大海原の落陽( Sol/ソル caido/カイド)!

『新春譜‐夢』No.1

わたくしが消えた! 夢の中で、

核戦争・核爆発でも、天変地異・

自然大災害でもなかった……近間に、

居たあなたも、あなたがた方みなも、

日本列島も一瞬に、消えて……

新たに生まれ変わった! 感がした。

〈新たな世界〉に瞬間〜移動していた、

弓なりの日本列島も、ぐるり見えていた、

山々も河川、海も空もすべて、地球も一緒に、

消えて生まれ変わった……新たなる輝ける星に。

謹賀新年  No.2

新春に、揃い踏みの静穏・静謐の、

「明け(アケ)・お目(オメ)!」は、

いまだ一度も、記憶には無かったかに……

このように太陽系宇宙・<地球(テラ)>が、

銀河宇宙もろともに、生命・宇宙の、

産みの親《無源》そのものまで、ハレ・澄みきり、

新年して行く、一年となりますように!

言祝(ことほ)ぎ致します。

 

謹賀新年!  No.1

雲ひとつない新春(あらたま)の空を、

地球の心臓の鼓動に合わせるかに、

初日の出が、無音に「ドクドク」と昇ってゆく。

上毛三山の<赤城山・榛名山・妙義山>が、

薄紅色にハレ上がり、扇型の関東平野に、

容赦なく吹き降ろす、上州‐空っ風が、

今日ばかりは、じっと鳴りを潜めているる。

 

 

『風はどこからきた』No.3

これ以上、無口となる心を傷つけない為に、

欲望が〈善〉をまとって迫って来た時、

沈黙か、「いいえ」の「ハイ」か、

選択肢は無きか……ひときわ、今年の短い秋に、

「風が落ちている!」雌雄‐別樹の、

生きている化石‐〈イチョウ樹〉の、

黄金色の鮮烈な絨毯(じゅうたん)の、落ち葉の上に。

 

 

 

 

 

『風はどこからきた』No.2

勢いよく切り捨ててしまったモノ、

誰にも告げずに来てしまったコトに、

無意識の井戸の底いに、何処までも、

その深さを測る、垂鉛(すいえん)の紐を、

垂れ下げて行くように、降りてゆく、

方途か術は無きか……身体の、傷ならば、

包帯を巻いて癒しを待てば、治癒するコトも、

複雑な心の傷には、どんな手当がいるる。

『風はどこからきた』No.1

今日の風は、どこから、

吹き継いできたのか、妙に、

いがらっぽく、逢魔(おうま)が時に、

胸と脳に、渇きひとしお。

 

キッパリと「ノウ!」と言ってしまったコト、その時、

起きていたコトに対してだけでなく、

そのコトに繋がる、忘失してしまった過去に、ふかい、

深い〈心の傷・トラウマ!〉が、繋がってはいないか。

いま! 起きている不都合なこと、

消し去ってしまいたい、避けて、

無しにしたかったコト、

否定しきってしまいたいコトども……

計り知れない過去の、どこかでそれは、

起きていたことと、リンクしていないか?

いつまでもそれは、どこまでも、無意識から浮上する、

不安・イライラを、運び続けているる。

〜今いまに! 『弓矢のように』No.2

✼     ✼

古代〈弓〉は枝を払い、弾性ある細丸木に、

刺草(いらくさ)・麻の繊維を縒(よ)って弦を張り、矢をつがえて射(い)るる。

ケヤキの槻弓(つきゆみ)、ヤマグワの拓弓(つみゆみ)、

古代ー神世(かみよ)には、ハゼの木の櫨弓(はじゆみ)‐〈天之波士弓(あめのはじゆみ)〉を手に、

弓矢の〈天之眞鹿兒矢(あめのまかこや)〉を手挟(てばさ)みし、

他に荒ぶる武器を持した、太陽神アマテラス-軍が、

日の本‐豊葦原(とよあしはら)に天孫降臨して、平和に政(まつりごと)する、

水々しく稲穂たわわに稔る瑞穂(みずほ)の、オオクニヌシ神の出雲国を、

制圧・支配した、捏造(ねつぞう)の<出雲神話>のあり。

かつて印刷の版木にも使っていた梓木(あずさぎ)は、丸木ごと、

弓なり成した〈梓弓(アズサユミ)〉で、キリリと真斗(まと)を絞り‐射る。

梓弓の弦を弾(はじい)ては鳴らし、トランス状態の梓巫女(あずさみこ)に、

霊‐降ろししていたは、遠の昔し話しか。

 

真弓(まゆみ)曳く 秋紺碧や 標的(まと)矢羽

咲き競う 百花繚乱(りょうらん) 真弓木の実

〜今いまに! 『弓矢のように』

秋冷(び)えの、もみじ色の風を切って、

白い矢が走って行った……

行く先に、標的(マト)はなかった。

コスモスとススキが、風を揺らしている。

キッパリ! と、何のこだわりもなく、

日々のコト、矢羽(やばね)のように、

飛んでいけたら!

忘却してしまった過去……

昔むかし、何があったにしても、

弓矢の先に、過去・現在・未来があり、

標的(マト)のような、陽はまた昇るよ。

『まどろみの縄文の丘』No.2

台風の痕跡は、国道から少しく入った、細道の奥を上り詰めた、

丘に在る〈杉樹林‐百年の杜〉にも及んでいた。

一番長寿の蝦夷松(エゾマツ)が、真ん中辺から折れていた。

山蟻に食われた所から折れたわけでなく、

強引に捻(ひね)り千切ったような、ふぞろいの竹箒に似た傷口を晒(さら)している。

倒れた幹は折れた本幹(ほんかん)に、60度角に身を寄せているる。

地面に着いた幹の先から折れた頂上まで、中動物が登って行き、

排泄した痕跡が、未消化の笹の葉と一緒に座っていた。