今いま!〈新世界>への道〉→ 小説『夢幻都市&機械都市』 半覚半睡より目覚めて No.1 A-2

メキシコ料理と言ってもたった一度、代表的な料理の<ナチョス>を結婚式場で食べただけだった。味は全く覚えていないが、トポスにたくさんのアボカドを並べて、メキシカンビーンズとチーズをこれでもかと言うくらい載せて焼き上げた、香ばしいカリカリ–食感を覚えていて、いつかまた食べたいと思った。

幽体離脱が起きた時、焼けたチーズとビーンズの香ばしい匂いがしたように思えたからだ。実際は社員の誰かが、食パンにボーダーチーズを載せ、スパイスを振り掛けて電子レンジで焼いていただけだった。

自分の仕事と言っても、毎日、食品会社の集計データの数字を入力することで、宇都美源一は派遣社員だった。「この仕事をしたい!」との強い思いはなく、ただ一つことに拘束されるのが嫌で、色々の仕事をやってきていた。将来これと言った目標など持ったことはなかった。

デパートでデサントやミズノ等の会社の、スポーツ用品を販売するマネキンの仕事をしたり、子供向けお菓子のパッケージ・デザインのアシスタントや、夜中の凸版印刷で印刷物の梱包をしてそれを倉庫に移送する仕事などもしたが、早々とそれは、腰痛になったことで辞めてしまった。……縁のあった仕事は、選択することなく何でもやった。

 

今いま!〈新世界>への道〉→ 小説『夢幻都市&機械都市』 半覚半睡より目覚めて No.1 A-1

《始まりの章》

三日三晩、デスク・ワークでの徹夜状態が続いて、気づいたら宇都美源一自身が真っ青な空間に浮かんでいて、机で仕事をしているもう一人の自分を視ていた。「45856……の56の入力が違っている!」と呼びかけても当然、現実の自分に言葉は通じなかった。世に言う幽体離脱が起きていた。

そのまま何処か遠くに行きたいと思えば、「自由に何処にでも行ける!」との思いが起きていたが、「書類を打ち間違えている自分を置いて、何処かに飛んで行きたい……外国に行くわけにはゆかない」と思ったところで、デスクトップの松葉浩介に「おーい源一、椅子から転げ落ちるぞ!」と呼びかけられ瞬く間に、我に還えることになっていった。

まるで居眠りをしたコト以外、何事も無かったかのようにその日は、そのまま仕事を続けた。幽体離脱したことよりも、「そのままどこか、外国に行けたなら……」のことの方が、惜しい気がしていた。特に最近は中南米のことが気になっている。理由は良く分からなかったが、昼になると異常にメキシコ料理が食べたくなっていた。

 

今いま!〈新世界>への道〉→ 『ワタシ‐変です!』No.2

『ワタシ‐変です!』No.2     中嶋 稔  

 

冬の「通り雨」など、季語にはないのに、

晴れて冷却していた冬の大地に、こつぜんとやって来て、

凍(い)てついて、針刺す強雨(ごうう)の降るる・・・街路樹が、

弾き返したかの雨滴が、服の上から肌に突き刺さる。

またたく間に、凍(しば)る痛みを残して、

高層ビルの方角に去って行った、冬の通り雨・・・。

視えない? 感じないから? 非在‐扱いしてはいけない。

くまなく宇宙全体を、覆い尽くしてしまったかの、

〈ダーク・マター〉‐透明な宇宙ゴミが、秘密裏(り)に、

地球のオゾン層を、突き破って侵犯しているるか。

蜘蛛の糸より細いほそい、その先き端で突き刺されても、

痛痒(つうよう)など知覚しないのかもしれない、が日々・

刻々の日常に明らかに生じてる、生存することの不条理!

訳けもなく湧いてくる、ムカつき・キレる‐衝動!

どこぞに密(ひ)そむ、不安・恐怖! 寂寥(せきりょう)・孤独‐感、

得体の知れない、虚無・不在〜〜閉じこもり、何もかも、

破壊してしまいたい! 消えてしまいたい……

ヒトの命の無意識〜その底の《ミタマ(魂)》は傷ついているる。

《5月4日》今いま!『新世界へ!』→ ワタシ変です!

『ワタシ‐変です!』 中島 稔 (詩稿)

 

限りなく透明で、音もなく、無臭・無味、無触感を、

偽装(カムフラージュ)していた、久遠の過去から溜まりに溜まっていた、

〈生命‐宇宙〉の歪み・汚れの〈黒闇物質(ダークマター)!〉化、

汚泥(ヘドロ)・廃液化‐汚染して……一見、平穏そうな、

太陽系宇宙の<地球>‐世界のぐるり、その底のそこい深くまで、

すっぽりと覆われ、浸食されてしまっていたことに、

「だれも知らない、たれも気づこうとしない!」のか。

朝〜目覚めて、謂いわれの知れない不安感・汚れ感・恐怖感の、

ゴミ溜め感覚! 数千万億(あまたある)〈欲望‐貪(どんよく〉——

物欲・金銭欲、支配欲・権力欲、知識欲・名誉欲、

愛(縛)欲・色欲、耳障りな愚痴、怒り・恨み・憎しみ……

寝ても寝ても寝足りない、異常とみせない眠気・睡魔、

持続・集中・創造‐力も削がれているるか。

肉体感覚を喪失した皮膚・神経・筋肉の硬直化!

痛みの伴わない疲労‐感覚……投げやりな懈怠(けだい)感、

止めることの難しい、数千万億(あまた)の否定的〈言・動‐癖(ぐせ)〉、

明らかに、私のワタシは「変?」いつからか、

異常・異変・変異の生じているる……ぐちゃ・ぐちゃ!

ごちゃ混ぜ意識‐こころ‐感覚で、朝〜昼〜夕の、

居‐眠りから目覚めてる……何か? 何んだか?

何故だか「変!」ですよ、私のワタシの目覚めたち……。

 

<本日の言葉>につづく予定?

 

《4月24日》今いまに

*先ほど鳴っていた音楽や、人の声が、中空に漂っていることがある。
空耳ではなく明らかに、音が鳴ってる。
雨が降っていても、川がセセラいでいても……はっきりと、ぐるりの音に揉み消されないで、その楽音(がくね)が流れている。
耳を塞いでも消えない、中空に刻印された楽音、きっかりそれが終わるまで聴こえている。
アイホン・メーカーが入れた、脅迫的な待ち受け音楽、切れたはずなのに?……携帯に耳を強く押し当てている。
自然だけでなく、ぐるり空間も科学-機械システムに支配されている。
アテンション・プリーズ!
SF映画は決して《空想》なんかではない!
眼に視えない世界で、AIシステムと、人類のミタマ(魂)との戦争が起きている!神さまはどこに行った。
否(ノン)神様はいま何さっておられる……。

*〈魔言葉〉から〈真言葉〉へ浄化脱皮!

《4月23 日》今いまに

外の林は夜る闇の底で、宇宙の黒闇・ダークマターとヒソヒソお話ししてる。
今宵は少しお静かに! 先程から、わたくしのミタマ(魂)が、《無源》となにやらお話ししています……。