『風はどこからきた』No.1

今日の風は、どこから、

吹き継いできたのか、妙に、

いがらっぽく、逢魔(おうま)が時に、

胸と脳に、渇きひとしお。

 

キッパリと「ノウ!」と言ってしまったコト、その時、

起きていたコトに対してだけでなく、

そのコトに繋がる、忘失してしまった過去に、ふかい、

深い〈心の傷・トラウマ!〉が、繋がってはいないか。

いま! 起きている不都合なこと、

消し去ってしまいたい、避けて、

無しにしたかったコト、

否定しきってしまいたいコトども……

計り知れない過去の、どこかでそれは、

起きていたことと、リンクしていないか?

いつまでもそれは、どこまでも、無意識から浮上する、

不安・イライラを、運び続けているる。

〜今いまに! 『弓矢のように』No.2

✼     ✼

古代〈弓〉は枝を払い、弾性ある細丸木に、

刺草(いらくさ)・麻の繊維を縒(よ)って弦を張り、矢をつがえて射(い)るる。

ケヤキの槻弓(つきゆみ)、ヤマグワの拓弓(つみゆみ)、

古代ー神世(かみよ)には、ハゼの木の櫨弓(はじゆみ)‐〈天之波士弓(あめのはじゆみ)〉を手に、

弓矢の〈天之眞鹿兒矢(あめのまかこや)〉を手挟(てばさ)みし、

他に荒ぶる武器を持した、太陽神アマテラス-軍が、

日の本‐豊葦原(とよあしはら)に天孫降臨して、平和に政(まつりごと)する、

水々しく稲穂たわわに稔る瑞穂(みずほ)の、オオクニヌシ神の出雲国を、

制圧・支配した、捏造(ねつぞう)の<出雲神話>のあり。

かつて印刷の版木にも使っていた梓木(あずさぎ)は、丸木ごと、

弓なり成した〈梓弓(アズサユミ)〉で、キリリと真斗(まと)を絞り‐射る。

梓弓の弦を弾(はじい)ては鳴らし、トランス状態の梓巫女(あずさみこ)に、

霊‐降ろししていたは、遠の昔し話しか。

 

真弓(まゆみ)曳く 秋紺碧や 標的(まと)矢羽

咲き競う 百花繚乱(りょうらん) 真弓木の実

〜今いまに! 『弓矢のように』

秋冷(び)えの、もみじ色の風を切って、

白い矢が走って行った……

行く先に、標的(マト)はなかった。

コスモスとススキが、風を揺らしている。

キッパリ! と、何のこだわりもなく、

日々のコト、矢羽(やばね)のように、

飛んでいけたら!

忘却してしまった過去……

昔むかし、何があったにしても、

弓矢の先に、過去・現在・未来があり、

標的(マト)のような、陽はまた昇るよ。

『まどろみの縄文の丘』No.2

台風の痕跡は、国道から少しく入った、細道の奥を上り詰めた、

丘に在る〈杉樹林‐百年の杜〉にも及んでいた。

一番長寿の蝦夷松(エゾマツ)が、真ん中辺から折れていた。

山蟻に食われた所から折れたわけでなく、

強引に捻(ひね)り千切ったような、ふぞろいの竹箒に似た傷口を晒(さら)している。

倒れた幹は折れた本幹(ほんかん)に、60度角に身を寄せているる。

地面に着いた幹の先から折れた頂上まで、中動物が登って行き、

排泄した痕跡が、未消化の笹の葉と一緒に座っていた。

『まどろみの縄文の丘』No.1

ひときわ数珠黒(ずずぐろ)い闇が、降りていた真夜中に、

「超大型台風21号」が、震災の傷‐癒(い)えやらぬ、

東北の地を烈しく、揺さぶりながら通過して行った。

こつぜんと進路を直角に曲げ、日本列島を南の端から北の大地へと、

縦断して行った暴風雨は、荒ぶるカミの爪痕を各所に烙印ブランドして……。

カミは人間と同じように、善神と悪神がおり、

欲望‐〈魔〉的な働きを司る両神を越えた、正神かみのあまたいるる。

昔むかし大昔! 生命‐宇宙の原始(はじめ)に起きた、

自然な生命進化‐過程は、「神が人間を創ったのではなく、

人間が進化して神となった!」との理解が、自然の摂理(providence)となるらし。

『開かずの館』 No.4

ジーッと凝視しても、視えはしない、

「開かずの青い館」を管理する、精妙・精巧な、

新発明の科学‐量子コンピューター・システムは、

幻覚・妄想・錯覚を、光景ビジョン化する〈脳内改造・改変!〉機の成せる技か。

超-科学進化を遂げても、量子コンピューターは計算機!?

〈0と1〉・〈オンとオフ〉の、無際限の組み合わせシステム、

〈記憶・記録〉のデーター・チップで、過去と未来、

予言・規定して、人類ヒトの〈運命〉を支配するる。

繰り返す〈有(1)と無(0)〉に、微小‐ミクロな間隙のあり。

ロボットの人工知能・AI( artificial intelligence)が、

更に進化して人間化して、人間がサーボーグ化して、

やがてサイボーグ・A Iが人類を支配する時がくるる?

は、SF映画のイメージ・物語などではない……

 

『開かずの館』 No.3

——何処より、やって来たのか人類(mankind )

 

窓の外は、「豪雨‐注意報!」が発令され、

ドシャ・バシャと雨、降り落ちているのに、

建物の中では、ドイツ製のアンティークな柱時計が、

昨日とそっくり同じ、「チク・タク・チク・タク」

豪雨の音を断つかに、静寂の時を刻んでいる。

西欧の片田舎の教会で、時刻(とき)を告げる晩鐘の音が、

鳴り響くかに、振り子がプラチナ色の時を打つ。

何故に玄関が出入り口であることを、辞めてしまったのか、

誰も知らない……ぐるり近在では、「開かずの青い館」とも呼ばれてた。

エメラルド色の、玉葱(たまねぎ)のような尖塔(せんとう)屋根が幾つもある、

ゴシック調-教会と、アラベスクなモスク調-建築物を、

合わせたかの建物……一度中に入ったなら、二度ともう、

外には出ては行けない、「否(ノン)!」あえて、

「外に出て行きたくない……」想念(おもい)するる。

『開かずの館』No.2

物語りするように、そっと玄関の扉を開けて、

外に出ようと、足を踏み出したものの、

庭の風景がかい間、見えたのに、

身体は閉じた扉の、こちら側に、

戻って来てしまっている……近しい、訪問客も、

玄関に立ち扉を開けて、広間に入って行こうと、

一歩(いちほ)踏み出したものの、一瞬でもとの位置に、

戻ってしまい、家の中に入って行くことが叶わない。

どうしてか、玄関の出入り口がその役目を辞めてしまい、

建物に出入りできなくなってしまっている。

「いつ頃からだったのだろうか、それは?」

家全体がモヤ・カスミの糸で、厚く織り込まれ、

繭(まゆ)のように包み込まれて、閉じ籠こもってしまっていた……。

『開かずの館』 No.1

——何処(いずこ)に行こうとしてる、ヒト種族‐人類!

 

玄関の扉と、心の扉の開閉の様(さま)‐模様は、

そっくり、似ていないだろうか。

扉はこちら側の、閉じた空間を、

外に解き放つ為に……あるいは、扉は、

あちら側の広大な、外-空間を閉ざして、

こちらと間仕切る為に、開〜閉するならい。

心の扉も、好き・嫌い、良い・悪いで、

他者・他世界に、開いたり‐閉じたりするる。

 

 

『無言の言の葉』 No.2

北の地‐有珠山のカルデラ‐洞爺湖(キムントー)の、

空と樹々を映した澄んだ緑青色の湖水、

その沈黙が語り出すまで、「否(ノン)!」ヒソヒソと、

昔しむかしから、言の葉を紡いで来た神々の深甚の語り、

その無言を聞き取る為には、〈無心〉そのものに、

素潜りの極限の無呼吸の境地に身・心を添える。

湖面にふんわりと被せた、オブラードが破れぬよう、

そっと剥がして、できた隙間‐30度角の隙間に、

瞬速にいま以上〜波が立たぬよう、石を投げ入れたかに……

石は黙って真っすぐにではなく、ヒラヒラと水底に落ちて行く。

季節の終わりはたった一枚の、アジサイのカラフルな、

紅葉模様にやって来た秋でした。