散文詩『蔵王連峰の夢想よ氷雪を消さずあれ』No.2

「扉を開けたらすぐに閉めること!」の細長い表示板は、風に煽(あおら)れて、

ログ風の板扉に音を立てて当り、掛け紐が切れそうになっている。

雪風と一緒に室(むろ)に入ると、円筒形のストーブが真ん中に置いてあり、

火は燃えていずとも石室は暖かかった。

それをコの字型に囲むように、板敷がベッド代わりにも成っていて、

奥は二段ベッド様に設(しつら)えてある。

先程までここに誰かが居たような空気感もあった。

下のベッドの真ん中に、誰に宛てたモノか、

「熊野岳の山頂にいる」のメモ用紙が置いてあった。

異常な寒さの中から急に、暖かい空間に入った為か、

板敷きに腰掛けたまま、半覚半睡(はんかくはんすい)で軽い金縛状態になっていた。

散文詩『蔵王連峰の夢想よ氷雪を消さずあれ』No.1

中島 稔

秋終わりに冬登山の装備もせず、トレッキング姿で、

ロープウェイの地蔵山頂駅を降り、地蔵山から、

熊野岳に向かう山岳道を歩いて行く……と、冷たい風と共に、

晴れていた空からこつぜんと雪が降りて来た。

雪の舞い舞い遊戯を楽しむ間も無く、次第に横殴りの風雪となり、

山稜の両側が切り立った<馬の背>の真中まなかに立っていた。

下から噴き上げる吹雪で視界が狭められ、

急峻な谷底が見えない! 少しく怖れを憶えつつも、

戻る選択肢はなく、眼に見えない何者かに、

先導されているかに先に進み、何度か身体ごと、

吹き飛ばされそうになり、それでも前に押し進んで行った。

あまりの寒さに両腕を上下に振り上げ、

体温を上げようとした右手の向こうに、少し薄くなった吹雪の先に、

石造の建物が見えてきた……メキシコのミニ・ピラミッドを

想起する避難小屋が雪嵐に、どこ吹く風と建っている。

詩文『蔵王(ざおう) 神々の連峰(みね)』No.3

 

<蔵王>の蔵(ざ)は穀物や秘宝・秘儀を宿す働き&とトップ‐主の意味あり。

その山稜の宰主(さいしゅ)<蔵王権現(ごんげん)>は、乱れ・荒廃した世を救済する、

神・仏の働きを掛け合わせた救世主<救世主ミロク!>、正義・善的な思念‐

欲望(魔/大欲)を実現する、最強の魔的な神・仏かな。

修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が、奈良‐吉野の金峯山(きんぷせん)に、

神・仏の働きを合体させた蔵王権現を勧請(かんじょう)し、やがて、

東北‐奥羽の蔵王(連峰)に、その分体を移譲していた。

神・仏・霊を造る、高度な機械仕掛けシステムによる、

不可思議な宗教世界、本当の神・仏・霊はいずこに居られる。

「なぜに山に登るの」

神々と密かな逢瀬おうせ(Secret meeting)・交流する為、

「神社・仏閣・教会には、カミガミは居ないの」

機械サイボーグ化し魔的に歪んでしまった、神・仏・霊が居られる。

地球は物質‐三次元世界、神々はかなた銀河宇宙の、

光り輝く星々に住まいしている。

〜つづく〜

詩文『蔵王(ざおう) 神々の連峰(みね)』No.2

 

蔵王連峰は100万年前後頃から、海底火山より地上の連嶺(れんれい)と成るに、

隆起‐勇躍(ゆうやく)をし続けて来た……縄文以前の人類が既に、

生業・住まいしていた、と。

同時期に海底では太平洋プレートに激震が生じていた。

太平洋プレートの西の先き端に、日本列島・三陸海岸の在り。

旧三陸海岸が押し上げられて、奥羽山脈・蔵王連峰が造山さるる。

太平洋上に存在していた、広大な<ムウ大陸(文明)>が、その時、

ある事由で滅亡して太平洋下に、ほぼ跡形もなく沈没していった。

ハワイ諸島やモアイ像のイースター島は、ムウ大陸の名残りらし。

 

 

詩文『蔵王(ざおう) 神々の連峰(みね)』No.1

 

蔵王の神々の峰々に、青天に映える氷雪アート、

アオモリ‐アオトドマツやアカトドマツ達が、

刻々と変化・変貌してゆく……水と雪を織り交ぜて、

風の神の伊吹(イブキ)で創る<樹氷彫像!>の展覧会は、今たけなわに。

エコーラインには九メートル余の雪壁が聳(そび)え建つ下には、

幻冬の寒さから守られた高山植物達が……鮮緑の葉に白とピンクの、

薄化粧した駒草(コマクサ)や、池塘(ちとう)の畔(あぜ)で黄金色に輝く金光花(キンコウカ)の群落、

草ではなく地を這うよう生える低木の伊吹麝香草(イブキジャコウソウが)、

ピンク紫に風を染め爽やかな芳香している。

魚の住めない、半透明なエメラルドグリーンの火口湖、

急峻なすり鉢の五色沼<御釜>も、雪解けを待つ、

その下には二十六回(タイムズ)以上の噴火を繰り返した、

地球の鮮血‐岩漿(マグマ)、星素材の潜みいる……太陽から離反して、

物質化して死んだ訳ではない地球(テラ)! いつの日にか、

実存‐進化して光に満ち充ちた、大きなる星辰となる日を!

その生命進化‐革命の拠点が日本列島・富士の山嶺に在り、

も一つの秘そみの拠点が蔵王の神々の山嶺にあり。

『塩釜湾・多聞山公園〜新<自然の諸力>調整行』<序詩>

2億年を生き継いできた、生きた化石<イチョウ>樹‐

銀杏・公孫樹・鴨脚樹(Ginkgo biloba)の黄金色の、

紅葉もみじ葉が舞い降り、カエデが真紅に燃えている、

多聞山公園は、風光明媚めいびな松島四大観の一つ。

紺碧の空を映した眼下の松島湾には、あまた岩島に、

松樹がしっかり根を張り、遊覧船の巡り行く。

風が彫刻した岩だけの仁王島、<七福神>の島々のあり、

布袋ホテイ島・恵比寿エビス島・大黒島……

ことには毘沙門ビシャモン島の伝説は、

五大堂に坂上田村麻呂たむらまろが、安置していた毘沙門天(神)が、

ある夜に光を発して、飛び去って島となったらし(?!)。

2011年3月の晴れていて、雪の舞った日は疎うとくなり、

白波を立てて、大小の船の行き交う海はもう、

何事も無かったかのよう、穏やかに凪ないでいる。

松島の五大堂より新たに、仏界の天部の神々と共に、

五大明王界の仏神界への大変革・大革新の光り!の、

立つ時日じじつが速やかに、到来致しますよう祈りぐ。

つづく

『生殖器要素の栖(すみか)』

 

〘生殖器要素(Genital(ジェニタル) Element(エレメント))の栖(すみか)(Dwelling(ドゥエリング))〙;

在りて存るすべての生命——植物・動物・人間は、

神・仏・霊も、異なる性の交わりで次世代を生み出す、

有性生殖・両性生殖あり&〜単体で次世代を生み出す無性生殖のあり。

想像を絶する遥か久遠の過去に、生命・宇宙の発生の源で、

<生殖‐器>にまつわる悲劇と惨劇が起きていた……。

機械科学文明の全盛の現代でも、日の本のお祭りでは、

男女の生殖器を神輿みこし仕立てして、「五穀豊穣・子授け」を、

祈願しながら、大らかに練り歩いてゆく。

道祖神社には男女の生殖器のシンボルが祀られ、奉納されてもいる。

インドでは「男・女神の合一と調和」の象徴とし、

シバ神の男性器リンガ&と妻女神の女性器ヨニを一つに合わせて祀(まつり)、

宇宙の創世神話と共に、町々や村々のシバ神系寺院で信仰されている。

 

澄み渡った紺碧(こんぺき)の空を投映した、エメラルドグリーンの海に、

四季折々に彩りを変える山稜に、街では高層ビルの狭間の朝に、

黄金色の陽が昇り、黄昏時(たそがれどき)には真紅のがほのぼの隠れんぼしてる。

太陽は超高温の水素や、ヘリウム気体ガスからできている、

ある惨事があり太陽から別離して、46億年前に火の玉マグマの地球が誕生した。

44億年前に初めて海が生まれ、幾度かの微惑星の衝突があり、

海水は瞬く間に蒸発して消え、中空に溜まった水蒸気は、

雨となって地表に降り注ぎ、やがて大海洋となる。

38億年の時を経て、海底の熱いあつい熱水噴出孔あたりで、

ひとつ細胞の微生物が誕生したらし……時めぐり、

10億年の歳月が流れ、冷えてゆく海洋では、やがてクラゲなどの進化する、

平たい多細胞生物たちが、砂泥の海の底を移動してゆく、

4億年前後には、海洋植物が地上植物へと転移して、

やがて昆虫や甲殻類と成る、海の節足動物達の上陸が始まる。

2億3千年前の地上では両生類が、哺乳類へと生命進化し、

さらに人類誕生の奇跡には、30万年の歳月を要している、

壮大な38億年の生命進化の道は……受胎した人間の母胎でする、

<十月十日(とつきとうか)!>の出生劇と酷似している――受胎2ヶ月頃に起きる、

母親の苦しい悪阻つわり時の胎児は、鰓(えら)と肺を持つ両生類の相貌してる。

海洋動物が地上動物へと脱皮する、両生類であった時期に、

地上に上がり、大量の生物が死んでしまった惨劇期と連関してはいないか。

過去の過去から出産トラブルで、幾人もの妊婦や胎児が逝去(せいきょ)している。

『風の栖(すみか)』No.3

 

「風立ちぬ!」〜風の行く道、

風の働き<意識>は、在りて存る、

生きとし生きるすべて、の万物・万象の、

イノチに備わり、絶え間なく清澄(クリーン)にハレて、

いま今いまが、気力に満ち満ちている、

ナチュラルな意識<息吹(イブ)く>その働きは、

機械科学システムに浸潤(しんじゅん)され、マニュアル・

サイボーグ化されてゆく、人生道・生命道〜自然に、

「ストップ!」〜変革・革新し続けてゆきますよう。

息吹く・イブく、イブキますように、イブキますように。

 

『風の栖(すみか)』No.2

 

人の中に吹く、風の働きを<意識>‐

Consciousness(コンシャスネス)! と言う。

人の意識<風>の栖(すみか)は、脳の中枢の奥にあり、

身体の頭部から、手・足の先き端まで、

隈なく縦横に意識が巡る〜風のゆく道、

緻密(ちみつ)・繊細に絶え間なく、クリーンに、

巡っている、廻(めぐ)ろうとしているる。

人間‐生命世界も、脳の意識‐調和を、

阻害する、電磁波エナジーに満ち満ちている。

<風‐息吹(イブ)く>意識の働きは、機械科学文明の、

隆盛・謳歌による、恒常的ストレスで、

脳の緊張・疲労に、副腎(Adrenal‐gland)‐

ホルモンの放出〜指令に、急(せわ)し休みなし。

恒常的なストレスへのホルモン分泌(ぶんぴつ)は、

小さな小さい副腎が、左は半月状、右は三角形して、

ひと知れずともチョコンと、腎臓の上に鎮座し、

免疫力・抗菌力・抗がん力のアップに日夜、

勤(いそししん)で、身体の健康護持(ごじ)の肝心要(かんじんかなめ)してる。

『風の栖(すみか)』No.1

 

☆〘風の栖(すみか)〙;  中島 稔

 

風の働きは、春と夏の間(あわい)に、

連なる山々の中腹から、

いく筋もの、朝靄もやとなって、

立ち昇る、林立する様態さまに似ている。

「風立ちぬ!」

ひと知れず、伊吹イブキ・イブキいる、

風はいずこに、秘そみ住むか、

風の栖すみかを尋ねて……。

宇宙でも真空に、吹く風のあり。

太陽の高熱の太陽大気のコロナが、

太陽に止(と)どまれずに、高熱で放出され、

時に嵐のように、太陽風の吹く、

地球の磁場に向かって。

紫外線・赤外線・電磁波……

地球では<空(くう)の働き>のオゾン層が、

それを優しく包むも、科学‐物質による、

大切な自然やO3(オゾン)〜破壊が、ここにも及んでる。