詩文『竹と空と』 No.4

 

竹竹竹、竹竹の古路こみちを行く、

はるか久遠の過去から、吹き渡ってきた風とともに。

辛苦(しんく)・辛酸(しんさん)の惨劇に満ち満ちた、この生命‐世界を、

凝視して吹き継いで来た〈風の神〉イブキヒコ神・

イブキヒメ神たちの息吹イブく働きは、清浄きよめ・浄化そのもの、

無辺数あまたの竹の葉ずれが、それを吹奏(すいそう)しているる。

サワサワ・サワワ・サワサワ・サワワ、

サワサワサワ・サワワ・サワサワ、

サワワ・サワサワ・サワサワサワワ……

時に寂さび・侘わびびの竹花瓶となり、茶室に端座(たんざ)してる、

寒風と直射日光で、赤く染まる女竹(めだけ)は「幸運を運ぶ竹」とも。

竹の地下茎はひとつで、豊穣な竹林を造形する。

淡竹はちく・苦竹はおよそ百二十年、孟宗竹は六十年余周期で、

絹糸の先に米粒を付けたかの、稲の花に似た白い花が咲き、

観音竹の花はシンプルに、海に咲くサンゴ‐ピンクのよう。

竹林では小さな種子を結び、やがてその実は、

滋養豊かな地に落ちて、新た世代交代のイノチを渡す。

役割を終えた竹林は、ハレやかに枯れ野となるか。

百年を生きた竹の精霊は、つぎは何に生まれ変わる、

「しなやかに、たおやかに、のびやかに!」

〜つづく〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『竹と空(くう)』 No.3

 

竹はホテルのように、幾つもの個室に、

空(くう)を宿し、一人二役〜草であり樹木にもなる。

一年で成体となり年輪もなく、イネ科の、

米・麦と同じ草を生きる。これ以上、

竹の樹幹は肥満することなく、ひたすらに

上を目指して伸びて〜延びゆく。

二年目には、草のように枯れることなく、

固い樹木質となり、百二十年歳を生きる竹のあり。

二十㍍にも育つ真竹・苦竹は、竹細工・竹工芸・

クラフトにも造作されている。雪の日に、

老いた母親の為、孟宗(もうそう)が筍を取りに行った、

中国の親孝行の逸話から、孟宗竹(もうそうちく)が生まれた。

「しなやかに、たおやかに!」

 

 

 『竹と空(くう)』No.2

 

竹の身体にはいくつもの節のあり、

竹の節と節とは、空洞(カラ)っぽつなぎ、

カラと空くうは同じ働き、同じ意味。

空は器・領域の域‐エリアの働き在り。

竹の中には、いくつもの空が住んでいる。

かぐや姫は月から、竹の母胎の、

〈空(くう)〉に受胎したらし……いくつもの、

カラっぽがあるから竹は靱(しな)やかで、大嵐で弯曲して、

地に頭が着き掛かっても、折れなどはしない。

心にも竹のように節と節があり、いくつもの空(くう)を、

宿していれば、折れることも、

キレる! 心も住み込めはしない。

執着して欲望が果たされず、不服・不満足するも、

常駐することなどできません、

「しなやかに、たおやかに、まっすぐに!」

 『竹と空(くう)』 No.1

 

竹竹竹、竹竹の小道を行く、

真っ直ぐに見上げた、先き端に空はいない。

時々来賓(らいひん)する一陣の風が、空に出窓を開く。

竹の葉がまぶしい深緑(フォレストグリーン)と、

すぐそこまで、宇宙(そら)が来ているかの、

澄んだ青・蒼(あお)・碧(あお)の、コラボ絵画かな。

竹のように精一杯、空をめざすも、

その先き端の生育を、引き止めるモノは何?

何気なく見上げると、身・心の疲労が、

シャッキリと真っすぐになる。

「しなやかに、たおやかに」

『天まで届け』 No.3 中島 稔

 

人間‐わたくしと言う生命の、根源(もと)の働き、

《魂(ミタマ)》を基点として、内観する無限小宇宙(せかい)と、

はるか見上げる、無限大宇宙とが交差しているる。

遥かはるか久遠の彼方、生命・宇宙の発生の源、

潜在化して秘(ひそ)み居る《無源!》まで、

すべての宇宙(そら)が晴天の霹靂(へきれき)し、子供のお遊戯の歌のよう、

「大きく 大きく 大きくな~れ

大きくなって 天まで届け!〈*〉」

………どうぞ、届きますように

 

〈*〉NHK「おかあさんといっしょ−」お遊戯体操の歌詞

『天まで届け』 No.2 中島 稔

 

私の‐わたしの‐さらに奥のワタシ‐

の奥のわたくしに、超微細小(ミクロ)宇宙がある。

〈イノチ〉の働きが、絶えることなく、

生まれては、滅んで、滅んでは瞬く間に、

生まれて絶え間なく……際限なく、無限小な、

生命エネルギーが、躍動・消滅を繰り返し〈共動〉してる。

地球科学者の〈素粒子〉理論は、ようやくに、

その超ミクロ世界の、入り口辺を検索中らし。

『天まで届け』 No.1 中島 稔

 

「小さく 小さく 小さくなーれ

小さくなって 蟻さんになーれ〈*〉」

 

「もっと もっとー 小さくなーれ

小さくなって〈点!〉さんになーれ」

と替え歌してみて、「こわい!」

の畏怖感(いふかん)を覚え、点となってその場に蹲(うずくま)り、

しばらく動けなくなった、ことがありませんか。

わたくしの中にあって、わたしで無いような、

ごくごく小さな世界、ミクロな宇宙(せかい)、

肉眼で視えなくとも、顕微鏡や、電子顕微鏡、

できたなら、中性子顕微鏡で観察する世界、

生存と消滅が同時に起きている、超ミクロ‐

〈素粒子宇宙(せかい)〉、もうこれ以上何も無いような世界、

消失した瞬間に、同時に素粒子(クオーク)が現象してる宇宙(せかい)!

絶え間無く、有(1)と無(0)が、

プラスとマイナスが、同時に存在して持続している、

陽と陰が、善と悪が……瞬時に共存してる、

共動しているる、無限小の宇宙………

 

『日の本の四季‐変異』No.6

 

ホー ホケキョ

ホー ホケキョ

来年の梅雨が、めぐって来る日まで、

〈こころ〉の震災復興が、

いまだ終わっていない南東北の、

何処ぞかの町の杜もりに、

ひさしく、旅に出掛けるらし。

「ホー ホケキョ!」

 

『日の本の四季‐変異』No.5

 

今では娘‐ウグイスと、コラボレーション。

「眼に見えぬ力で、日の本の自然を壊して、

異常気象に変えたのは、だーれっ!」

ホー ホケケキョ

ホー ホケケキョ

ホー ホケケキョ

檜扇(ひおうぎ)の実の色のよう、数珠ずず黒いカラスが、

夏訪(おとず)れの大気に、連呼〜連弾している日に、

昨年より短時日に、一人前になったウグイスが、

『日の本の四季‐変異』No.4

 

ホー ホケケキョ

ホー ホケケキョ

近くに居た、親ウグイスが時々、

ホー ホケキョ!

ベテランのウグイス嬢の、熟練した声音で、

ウグイス族‐伝統の詩文を一度、読誦した。

自然がバランスを、崩している時節(とき)でも、

親‐ウグイスは、イライラせずに、

ホー ホケキョ!